眠田直のこんなモノが欲しい!(12)

人形劇が見たいッ!!



 まぁ「つまんねぇ」とかなんだかんだ文句いーつつも、アニメは夕方六〜七時台はもとより、深夜にいたるまで毎日「もうお腹いっぱいでちゅー」とゲップが出るくらいやってくれてるし、一時期低調だった特撮も、モスラ・ガメラ・ウルトラマンにハリウッド版ゴジラまであるし、オモチャやグッズも質・量ともに充実しているし、ゲームは馬に毎月馬に食わせるくらい出てるし、まさにオタクとしましてはこの世の春謳歌状態。ああなんて我が家は幸せなんだろ〜。

 あれ? …なんか足りないぞ。

 そうだっ! 人形劇だっ!
 最近、人形劇を見てないぞっ! かつて60〜70年代にかけて、西はITCから「サンダーバード」や「キャプテン・スカーレット」、東はNHKから「ひょっこりひょうたん島」「空中都市008」「ネコジャラ市の11人」「新八犬伝」「プリンプリン物語」、ついでに民放の「Xボンバー」「飛べ!孫悟空」と我々を楽しませ続けてくれた人形劇が最近全然無くなってるじゃないかぁ。
 NHK教育の幼児向け番組を除いて、もうどれくらい人形劇から遠ざかっているのだろう? ええっと、日本に入ってきた最後のジェリー・アンダーソン作品「地球防衛軍テラホークス」が85年放映。なぜかいきなり松竹系で劇場公開された、100分の長編人形劇映画「ハイビジョンSFX西遊記」が88年。
 げっ、もう10年も「人形劇無し状態」になってたワケ!?
 「サンダーバード」なんてあれだけファンが多いのに、なんでみんな「人形劇の新作が見たい」って言わないんだよぅ。「人形劇をやろう」って志す映像クリエイターもなんでこんなに少ないんだよぅ。
 作り手側にとっても、人形劇はイイんだぞぉ。ジェリー・アンダーソンも言ってるけど、なんせ「人形はギャラに文句を言わない」「人形は年をとらない」「人形は危険な演技も平気でやってくれる」「人形はスタジオ入りのスケジュールを守る」んだから(笑)。
 今、絶好のチャンスなんだけどな。「サンダーバード」や「ひょうたん島」で育った、人形劇にノスタルジーのある世代が親になってて、商品の購買力はあるし子供にも見せるだろーし、CGやデジタル合成の進歩で、今まで人形劇の弱点だった「動きの限界」や「画面の質感」もかなりカバーできるのな。
 それに「フィギュア王」の読者に今さらこんな事言うのも「釈迦に説法」と思うけど、なんてったって今や空前のフィギュア&ドールブームのまっただ中。
 質の高いフィギュアが、人気声優の声で喋って動いて活躍したら、…ってちょっと想像してみてくれよ。
 ああ、機を見るに敏なプロデューサーはおらんのかいっ!


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