眠田直のこんなモノが欲しい!(22)

インターネット・アローン



 相変わらす順調に普及しつつあるインターネットであるが、検索エンジンやら電子メールといった実用性の部分はさておき、肝心のホームページの方は「なんか面白くないねぇ」という声をよく聞く。
 …確かに。読むに耐えない駄文、センスの無い画像、くだらない掲示板の論争、ヘドが出る程無内容なチャット。「からっぽの洞窟」と揶揄されるのも無理ないかな、といった感じではある。
 しかし早合点してはいけない。インターネットの面白さというのは、今までのメディア「映画・TV・雑誌」といったものの持つ「エンターティメント的な面白さ」とはまったく別なのである。確かに「万人に面白いホームページ」なんてのは存在しない。あるのはただ「この地球上で10人くらいにはすごく面白いページ」だけなのだ。

 たとえば、よくつまらないページの例として引き合いに出される「自分の家族の紹介と写真くらいしかないページ」でも、その家の娘さんに密かな恋心を抱いている若者にとっては、世界一重要なブックマークになるわけじゃないか。
 ここまで極端な例を挙げなくても、君が「スタートレック」のファンだったとしよう。その場合、旧「宇宙大作戦」から「ヴォイジャー」まで網羅したパラマウントの公式ページよりも、アメリカはニューメキシコの片田舎に住むトラビスさん(32才独身)の作った「新スタートレックに出てくる敵の宇宙人ボーグのブルーというキャラ」への、自分なりのこだわりを熱く綴ったページの方が面白く感じるだろう。波長が合えばの話だけど。

 つまり、世界中に発進していながら、その面白さはよりプライベートな方向に向いていくのが、インターネットというメディアの正体なのである。

 これは、ホームページ作り(HTML文書の作成)が、個人作業向きである事にも原因があるのかもしれない。実際、複数の人間で作るとリンクとかファイルの配置がややこしくなって、どうも集団制作には向かないのだ。 実際、企業とか団体のHPも、製作担当者の熱意とか個性が出ているページほど面白いしね。

 おっとと、ここらでいつもの「こんなモノ欲しい」もやらないとね。

 最近インターネットで見つけたスグレ物に「ブラウザのカスタマイズソフト」というのがある。インターネット・エクスプローラーのあの味気無い画面を、「エヴァのネルフ調」「スタートレック調」に改造してくれるのだ。
 なかなかに雰囲気出てていいぞ、コレ。
 パソコン関連のキャラクター商品はいつまでも壁紙とスクリーンセーバーとマウスパッドばかりというのも芸が無いと思わないか?
 各メーカーさん、「ポケモンの通信画面風」とか「ガンダムのジオン公国調」とか「ガオガイガーのGGG端末っぽい」ブラウザ改造ソフト出してくれ。売れるよ。


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