眠田直のこんなモノが欲しい!(3)

人はなぜ週に5時間もスタトレを観るのか?



 まぁよくあるパターンで、私ゃオリジナルシリーズの方のファンだったから、「カーク・スポック・マッコイのトリオ漫才の無いスタトレなんて、わしゃ認めんもんね!」と、最初は「新スタートレック」の方にはなかなかなじめなかったのだ。
 てなワケで、劇場版シリーズの方をもっぱら観ていたのだが、コレも第5作の「新たなる未知へ」あたりになると、出演者の高齢化も進んで、「オヤジ三人がキャンプファイヤー囲みながらシミジミするよーなトホホな映画」に成り下がってしまった。やれやれ。

 そんな萎え萎えだったオレの「スタトレ魂」に再び火をつけたのが、CS放送の雄、スーパーチャンネルが年に一度決行する「24時間スタートレック」という狂気の催しである。
 この洗脳プログラムには絶大な効果があり、最初は「新スタトレ? ふーん」と思っていた私が見事ハマってしまったでわないか。
 それからはもう、スーパーチャンネルの旧スタトレと新スタトレの本放送とスーパーアンコール(再放送)とフジテレビ深夜枠の新スタトレを全部チェックするというどっぱまり状態となり、「ああ、なんでオレは週に5時間もスタトレに費やしてるんだー。これでDS9が始まったら一体どーなるんだぁ」と嬉しい悲鳴を上げる始末。

 さて、そんな状態であるからもちろん劇場版「ジェネレーションズ」は大期待で観に行ったのだな。ところがねぇ、コレがいまいちなんだよ。まぁ一番のクライマックスが「カーク、ピカード、ソランの中年オヤジ三人が、アメリカの田舎砂漠でドツキあい」という困った映画だからねぇ(苦笑)。
 ところがどっこい、後で日本語吹き替え版のビデオを観たら、このつまんない映画がみるみる良くなってくるんだよ! なんと面白さ1.5倍(当社比)。
 痛感した。やはり矢島正明が吹き替えてこそのカーク、麦人がアテてこそピカード!
 パトリック・スチュアートが「ドゥ・イト!」って言っても燃えない。やはり日本語で「発進!」って言ってくんなきゃ。ウィリアム・シャトナーの大根な演技は、矢島サンの理知的なお声でフォローしなきゃ!
 思えば、新スタトレがイイのは、吹き替えの力によるところ大なんだよな。大塚明夫のライカー、大塚芳忠のデータ、銀河万丈のウォーフ、これでなきゃ観たくないもんね。
 に・も・か・か・わ・ら・ず、「ジェネレーションズ」のLDは、字幕版しか出てないんだよっ! くあーーーっ、わかってないぞパイオニアLDC。
 今回の「こんなモノが欲しい」は、いたって簡単。「ジェネレーションズ」と「ファースト・コンタクト」の吹き替え版LDを出せーっ! コレだけである。
(ついでに、旧シリーズの映画全6作の「パーフェクト吹き替え版」も欲しいところだけど、コレはさすがに無理か。何人かの声優さんは既にお亡くなりになっちゃったし…。)

*追記=その後めでたく「ジェネレーションズ」の吹き替え版LDは発売された。


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