眠田直のこんなモノが欲しい!(33)

スパム!スパム!スパム!



 人は美味のみを追い求めるものなのであろうか?
 私には「すっげぇマズイと思うけど、なんとなく病みつきになる食べ物」というのがいくつかある。

 たとえば、日清のチキンラーメン。きょうび他にいくらでも旨いインスタントラーメンがあるっていうのに、なんで未だにこんなお湯でふやかすだけの味付け麺など買ってしまうのだろー。でも夜中にもそもそ食う時は気分的にどうしてもチキンラーメンでないとな。

 それからドクターペッパー。関東以外では売ってないらしいので一応味を説明しとくけど「消毒薬臭いコーラ」だと思ってくれ。こいつがまたとてつもなくマズい。何も知らずに買ってしまい、初めて飲んだ時は思わず吐いた。それ以来「何か失敗したりして自分に罰を与えたい時」に飲んでいたのだが、最近はすっかりこの味に馴染んでしまったので精神的な意味は消失。
 こいつの原型はどうやら「ルートビア」らしい。ほら「スヌーピーとチャーリーブラウン」とか「スタートレック・ディープスペースナイン」とかでよくその名を聞く飲み物だよ。甘松とかたんぽぽとか、いろんな植物の根のシルを炭酸で割って作るそうな。もちろんドクペより更に強烈なマズさを誇る。アメリカ人の味覚は理解しがたいなぁ。日本でもA&Wの缶入りのが沖縄でのみ限定発売されているぞ。インターネット通販とかで取り寄せる事もできるが、私は薦めないからネ。

 で、私が最近ハマっているマズい食い物が「スパム」。そう、あの「スパムメール」の語源となり、モンティパイソンでギャグのネタにされた、これまたアメリカの大雑把な作りの肉缶詰である。食べてみると、旨いマズいをうんぬんする以前に、異常に塩辛くて脂っこいでやんの。不健康食品ナンバー1って感じ。試してみるなら塩分脂肪分50%カットの「スパムライト」を薦めておくが、「半分でコレかい!」ってツッコミ入れたくなることうけあい。
 このスパム、日本の輸入食料品店などでは値段も割高だし、「間違って」高級品っぽい扱われ方をしてたりするが、向こうでは「(は)のサバ缶」くらいのダサいイメージなので、絶対にオシャレな食い方などせぬこと。さっとあぶって冷や飯と一緒にガツガツ食らえ。

 さて、スパムライトの缶のウラに「スパムTシャツ」とか「スパムキャップ」の案内を見つけ、酔狂な私としては思わす「こんなモノが欲しかったんだよ!」と感激したのだが、ネットで「スパムギフト・コム(ヤな名前だな〜)」にアクセスしたら、最近の悪趣味ブームに便乗してか、いい気になってTシャツ20種類に帽子14種類も出してやんの。あまつさえスパムくんぬいぐるみやらスパムフリスビーやらスパムルアーまで! こいつ、スパムのくせに生意気だぞう。うきぃ!

 …と、一瞬思ったけど「量がやたら多くてうんざりする」というのがスパムのブランドイメージだから、これで正しいのか。
 しゃーない、買お。


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