眠田直のこんなモノが欲しい!(4)

野原みさえ(あるいはスワン・ホワイト)に遭遇した日



 すまなかった。

 私は今まで「オタク諸君の理解者」のよーなフリを続けてきたが、どうも昨今の「声優ブーム」という物にだけは、正直なじめなかった。「へきへき、萌え萌え〜」とか「智た〜ん」とか「まじんちゃーん!」と浮かれてるキミタチを、実は心の中で「ケッ」とか言って軽蔑していたのだった。

 オレが悪かった。全面的に謝罪する!

 なぜなら、人は憧れの声の主を目の前にした時、どんなに舞い上がるのか、いかにヘロヘロ状態になるのかを、先日この身を持って経験してしまったからだ。
 そう、私の心のアイドル「ならはしみき」さんにとうとう会ってしまったんだよぉぉ。
 え、ならはしみきさんを知らない? ほらほら「クレヨンしんちゃん」のみさえママの声の人だよ。あと「ジャングルの王者ターちゃん」のヂェーンとか、「ぼのぼの」のダイねぇちゃんとか、最近では「勇者王ガオガイガー」の怪しい外人スワン・ホワイトなんかを演ってるぞ。(しかし、一筋縄では行かない役ばっかしだなぁ)
 私がならはしさんの声の魅力に気づいたのは「クレヨンしんちゃん」を観始めて半年くらいたった頃だろうか。劇中ではしんのすけを叱るセリフが多いので最初はわからなかったが、よく聞くとものすごく可愛い声じゃないか。そんな時にCD「クレヨンしんちゃん/クリスマス&お正月」を聴いてしまったのだ。「ステキな恋のクリスマス」「サンタはきっと最終電車」などならはしさんの魅力爆発の一枚。なんせ普段コミカルな役が多い分、真面目な歌声を聴くと実に新鮮!
 さらにCD「クレしん2」の名曲「ママはシンデレラ」で私は完全にトドメを刺された。

 じいいいいいいいいいいん。

 本当にこれが現実の人間の発する声だろうか? もしこの世に天使が存在するとしたら、きっとこんな声に違いない。
 その美声の持ち主と、N社のPS用新作ゲームで音声収録のお仕事をする事になってしまったのだ。録音中はなんとか「これは仕事なんだ!」と自分に言い聞かせ、平静を保っていたが、終わった後の挨拶時になるともうボロボロ。
「…じ、実は以前からファンだったんです」
 あかん。自分でも声がうわずっているのがわかる。緊張しまくり状態で色紙にサインを貰う。「顔が真っ赤ですよ」とまわりにからかわれながら一緒に写真を撮ってもらう。
 ならはしみきさんは本当にきさくでいい人でした。ハイ。
 と、いうわけで今回の「こんなモノが欲しい」は、もちろん「ならはしさんの美声が聞けるCDをもっと出せ!」である。

 え、もう出てるって?
 クラウンレコード「うたっておぼえるかけざん九九のうた」? ひいい、幼児向けCDコーナーまではチェックしてなかったよう。
 早速レコード店に行ってくるので、今回はここまで。じゃ、そーゆーことで〜。


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