眠田直のこんなモノが欲しい!(44)

ホップな桶屋とか改革運動家ウサギとか



 さてさてパワーパフ・ガールズの放映やカートゥーン・ネットワークの存在によって、日本でも盛り返しつつある海外アニメ状況ですが、その昔、60年代から70年代にかけてはもっともっと放映していたのですな。「チキチキマシン猛レース」なんて月曜夜七時半、地上波ゴールデンタイムにやってたくらいだし、午前中や夕方のアニメ枠でもワーナーやトム&ジェリーが潤沢に観れたわけです。
 で、私くらいの世代というのは、日本製のアニメや特撮と同様に海外作品にも慣れ親しんで育ったのですが、さて大人になってみるとマジンガーZやウルトラマンの本やビデオはいっぱい出てるのに、こと海外アニメとなると資料がなーーんもなし。もっぱら「チキチキマシンのミルクちゃんって、ペネロッピー絶対絶命にも出てたよねぇ」と友人同士の記憶会話だけが頼りと、心許ない限り。

 しかし! 90年代に入ってコロムビアがビデオソフト化、日本語版ディレクターの高桑慎一郎氏の著書も刊行され、「チキチキマシン」「原始家族」「クマゴロー」などのハンナ・バーベラ作品については「おお、怪獣王ターガンって全18話だったのね」とか、やっとその全貌が明らかになったのでした。

 あれ? でもリストに「ドボチョン一家の幽霊旅行」はあるのに「幽霊城のドボチョン一家」が入ってないぞ。「ミクロ決死隊」「アーチーでなくっちゃ」は? そう、この手のアメリカンアニメはぜーんぶハンナ・バーベラ製かと思ったら、もう一社「フィルメーション」という所からも大量に入って来ていたのでした。インターネットの発達で、アメリカのフィルメーション・ファンサイトが読めるようになり、「なるほど、まんが宇宙大作戦もフィル製だったのね」とまたまた全貌が明らかになったのでした。ややこしい事にTV用のトム&ジェリーなんて、ハンナ・バーベラ版とフィルメーション版と両方あるんだもんなぁ。

 あれれ? でもリストに「空飛ぶロッキーくん」が無いぞ。「アンダードッグ(ウルトラわんちゃん)」も…。というわけでまたまたネット検索しまくったあげく、イエスタディランド・コムという大変に後ろ向きな名前のサイト(笑)を発見しました。
 ここでほぼ総てのサタデーモーニング(アメリカでは子供向けアニメは土曜朝にやるので)番組のリストが参照できるので、エキサイトの翻訳サービスを使って解読したところ、これら一連の作品はジェイ・ウォードという人の作品である事が判明しました。でもエキサイト翻訳って「ロッキーくん」を「岩とその仲間たち」、「進め!ラビット」を「改革運動家ウサギ」とか原題を直訳するから、ほとんど暗号解読の世界…。

 でもこれで海外アニメに関してはスッキリ…。えっ、クラッチ・カーゴや宇宙ライダーエンゼルはどこの作品かって?
 ひーー、日本でも海外アニメの研究書をちゃんと出してほしいよぅ!


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