眠田直のこんなモノが欲しい!(45)

女の子はパソコンの中に住んでいる



 そろそろ状況的にも落ち着いてきたようなので、今回は偽春菜…じゃなかった「何か」の話でもしようかね。

 「何か」というのはインターネットユーザーには大変普及しているデスクトップアクセサリーソフト。パソコンの画面に女の子キャラが登場して、いろんなお話をしてくれる、という物なのだな。それ以外にもネット上のニュースを読みに行ったりメールチェックしたり時計合わせたりとかいろんな機能が付いてるけど、メインはやっぱしキャラとの会話。
 さて、この「何か」が爆発的に普及した理由に「カスタマイズの面白さ」があると思う。デフォルトのキャラクターに飽きた場合、「ゴースト」という追加データを新たにダウンロードすれば、キャラの外見も会話内容も一変するのだ。たとえば「あずまんが大王のちよちゃん」のゴーストがあれば、パソコン画面上にちよちゃんが常駐して、いかにもちよちゃんらしい会話をしてくれるという仕組み。

 ただ、初期のゴーストは既成のアニメ・ゲームキャラが多かったのだが、版権の問題かキャラの掴みにくさの為なのか、今はオリジナル美少女キャラクターのゴーストが主流となっている。なぜかオリジナルにはクセモノが多く、人気ゴーストの「まゆら」など、徹底してレトロなパソコンゲームの話しかしない、とか偏った性格のモノが多い。
 そう、ゴーストは沢山の会話データを作らなければいけないので、どうしてもその作者の趣味とか人格がにじみ出てしまうのだ。こないだ知り合いの女の子、Tさんが作ったゴーストを入れてみたんだけど、話す内容も趣味も口調も、Tさんと話しているのとまったく変わらないシロモノになっていた。そのまんま! そこで気付いたのだがネットアイドルの人とか、今後売り出す声優とか芸能人とかは、写真取り込み画像でも使って、自分のサイトには自分キャラのゴーストを置くべきではないかな? いいPRだぞ。

 あとTさんに感想を聞かれて「このゴーストあったらキミいなくなってもイイよね」と、意地悪な感想を述べたのだが、将来的に「何か」がもっと普及したら、葬儀社が故人のゴーストを作るというサービスも可能かもしれない。キミのデスクトップにいつまでもいつまでも亡くなったおばあちゃんの説教が!
 そこまで行かなくても、失恋したら別れた彼女のゴーストを起動させて寂しさを紛らわす、というような習慣が一般化すれば、ストーカー事件とか減るかもしれないね。ビバ!電脳社会!

 とかなんとか言ったものの、出自が美少女ゲーム文化圏という事もあり、現状では「何か」のゴーストは、ほとんど萌え系女の子キャラばっかしなのだな。もう少し違うパターンのキャラが出てきても良さそうなもんなのになぁ。特撮・芸能・スポーツなんかにもゴースト向きのキャラはまだまだありそう。私的には「宇宙怪人ゴースト」のゴーストをきぼーん。(うわぁ、ベタなオチ…)


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