眠田直のこんなモノが欲しい!(5)

碇シンジに蹴りを入れろ!!



 −−−とある日の夫婦の会話。
「ねえ『パンチキック』って知ってる?」
「ああ、あの空気入れてふくらませる、ビニール製の起きあがりこぼしやろ?」
「あれ、一つ買って来てくれない?」
「なんで?」
「最近、仕事でストレス溜まる事が多くって。だから、机の横に置いといて、腹立った時の蹴り入れ用に一つ」
「そらまた正しい使い方やね。でも最近『パンチキック』ってあんまし見かけへんなぁ。プリントされてるキャラクターはなんでもええのん?」
「うん、ウサ晴らし用だから」
「わかった。探してみるわ」

 −−−数日後。
「あかーん。あらへんよパンチキック。ダイエーと西武デパートの玩具売場見たけど置いてなかった」
「最近はもう売ってないのかしら」
「よし。こういう事はフィギュア王編集部に聞いてみるのが一番!」

額田「パンチキックは『パンチファイター』と名を変えてユタカ(バンダイの関連会社)から現在も発売されています。価格二千円、全高80センチ。現行商品はウルトラマンダイナとキューティーハニーFです。」

「おお、さすが!」
「やっぱり専門家に聞くのが一番ね」
「よし、今度は商店街のオモチャ屋さんの方に行ってみるわ」

 −−−一時間後。
「あったあった。カーレンジャーにカブタックにアンパンマンにウルトラマンティガにキューティハニーFにセーラームーン。とりあえず『うさぎとちびうさ』柄のやつを買うてきたで。よし、早速空気入れて…」

 ドカッ、バキッ!

「どないしたん?」
「うーーん、プリントされてるキャラクターはなんでもいいって言ったけど、やっぱしちょっと抵抗あるなぁ」
「確かに。これで遊ぶ子供の気持ちを考えたら、ヒーロー&ヒロイン柄じゃなくて、悪役とか怪獣のパンチファイターの方がええわな」
「蹴りを入れてスカッとするキャラクターって何かしら?」
「…うーーん」
「忍ペンまん丸!」
「あ、ああいうイジメられっ子っぽいキャラはパンチキック向けやね。でも…」
「でも?」
「…目がコワイからなぁ。アレは」
「じゃ、藤崎詩織」
「おお、ナイス! あの小生意気なアマには蹴りをくれてやるべきだぞ」
「碇シンジ!」
「わぁ、あまりにもハマリすぎやあぁぁぁ!」


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