眠田直のこんなモノが欲しい!(51)
ゴッドマンになりたくない
さて前回、あんなに多チャンネルTVにこだわった表の理由は「スタートレックが観たい」ですが、裏の理由は「行け!ゴッドマン」を見逃したくないから、だったりします。
ゴッドマンとは72年に幼児番組「おはよう!こどもショー」の中の1コーナーとして放映されていた巨大ヒーロー物。東宝製作だったので、ガバラやカメーバといった映画怪獣が出演する回があるのがマニアにとっては見どころ。今までまったく再放送やビデオ化されず「幻の作品」となってたわけですな。
しかーし、CS放送の雄・ファミリー劇場はついにこの幻のフィルムを昨年末から放映しはじめたのです。偉いぞ! というわけで大期待で私も見始めたのですが、20分後には激しく後悔。いやー、幼少時の記憶以上にヒドイわ。番組内の1コーナーという事もあって低予算。しかも本来1日5分づつ見るものを、6本分繋げての放映だから、東宝の倉庫にあった怪獣の着ぐるみを引っ張りだして、裏山とか野原で挌闘するだけの芸の無さというか、無内容ぶりが更に強調される結果に…。
おまけに期待の東宝怪獣はラテックスが劣化しててかなり悲惨な状態。カメーバは下アゴ部分が無くなってるし、ゴロザウルスはボロ雑巾のような状態だし、サンダなんか善の怪獣のハズなのに、その設定も忘れられて容赦なくゴットマンにボコられておりました。
でもねー、我慢しつつ毎週観てるうちに、妙にハマるんだよねーゴッドマン。単調な戦闘と同じBGMの繰り返しがトリップ映像のようで。でもって、台本無しでその場でテキトーに撮ってるからシュールな展開が多いのよ。子供たちがニワトリをいじめてると突然どかーん!と爆発して怪獣トットザウルスに変身とか、サルをいじめるとシラージに、子犬を笑ってただけでフントラーになっちゃうし。極めつけは捕まえたクワガタを投げ捨てたらカッパルゲに。なぜクワガタがカッパ!?
かったるい挌闘シーンも、慣れてくると色々新しい楽しみ方を発見。怪獣のチャックが開いてたり、頭の部分がはずれそうになって中の人が見えちゃったりするのはしょっちゅう。ミニチュアは毎回使い回しなので、壊さないようにものすごく気を遣って挌闘してます。逆の意味でハラハラします。さらにイモゴラスの回では「この日は撮影現場で何かあったのか?」と思うくらいに中の役者さんたちが本気で殴り合ってます〜。ガチンコだぁ。
極めつけはトランカーの回。3話めでいきなりトランカーの中の人がいなくなっちゃいます。後は空の着ぐるみ相手にゴッドマン一人で演技してるし。きっとお祖母ちゃんの法事か何かで、この日はトランカー役の人、早上がりだったんですね!
こんな愉快なゴッドマン、ファミ劇での再開以降、一部の酔狂者の間ではブームなのですが、それを見越したかのようにヤフオクではゴッドマンソフビの値が吊り上がってます。悔しいのでM1号さんマーミットさん、復刻して下さい。…あ、やっぱし嫌?(笑)
★ゴッドマン・マニア向け情報
怪獣シラージは東宝版キングコングの、バットマンは「緯度0大作戦」のコウモリ人間の着ぐるみの改造でした。やっぱり貴重映像。
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