眠田直のこんなモノが欲しい!(61)

消してはいけない



 ほうほう。ソニーから「ブルーレイディスクレコーダー」発売ですか。おおー、ハイビジョンをそのまま高画質録画できるんですねぇ。コレでまたHDDレコーダーがいいのか、コストパフォーマンス的にはやっぱしDVD−Rなのか、次世代ビデオ機器の選択に悩みが増えたんですが、なんにせよデジタル化は進んでいくワケですな。

 ここで、すごーく大雑把ではありますが、私的には80年代初頭から去年ぐらいまでを「VHSビデオの時代」と位置付けたい(その前にベータの時代もあるので)。いやね、最近古いビデオテープの山を整理してて、いろいろ思うところがあったんで。
 昔のビデオユーザーって、一生懸命CMカットとかしてたんですよね。なるべく映画なりアニメ本体だけを保存したいから。ところが時代が変わってみると、かなりマイナーな作品でもDVD化されるようになり、そうなると番組本体よりも、間に挟まってる玩具のCMやら、番宣や予告の方が稀少度高くなってきたんですな。もちろんDVDは映像特典でいろいろ付けてくれるんですが、抜け落ちちゃうものも多い。たとえばスターウォーズTだとペプシや永谷園とのタイアップCM等。

 私も「ミュータントタートルズ」の録画ビデオ再生してみたら、エヴァの第1話予告が入ってたり、カーロボットのテープにはパワパフの番宣があったりで(どっちも後番組だった)、DVD持ってる作品でもウカツにテープ捨てられませ〜ん。「ふしぎの海のナディア」も、NHK初回放送時にのみ付いてた、珊瑚礁やウミガメなんかのオマケ映像が面白くて消せないんだよなー。

 映画に関しても、DVDとTV放映では吹替の声優さんが違ってたりするので、やっぱし録画テープを処分できないもんばっかし。逆に「ノーカット・字幕・CM抜き」で放映されるBSの録画テープの方が価値低かったりします。だってそういう形のは後からでも手に入るんだもん。以前ならこういう形態の放送が映画ファンには喜ばれてたのにねぇ。
 後は、映画公開時の特別番組とかに貴重なモンが多いですね。やはり作り手側も製作終了直後は宣伝のために本音を言ってなかったり、逆に妙に熱く語ってたりするんで。数年経ってから収録したオーディオコメンタリーだと、当時より冷静になっちゃうからね。

 結局、何を主張したいのかと言うと、この20年間に皆様が録りためたビデオテープ、意外なトコにお宝映像が残ってたりしますんで「DVD買ったからもういらないや」と処分する前に、一応チェックしてみて下さい。また、そういう映像から優先的にデジタル化すべきなのですよ。で、稀少映像はインターネットを通じてみんなで共有、…するのがもっとも公共の利益になるんですが、ソレはイリーガルな行為になってしまうのが問題。

 …しかし今のうちに残すべきなんだよな、各ご家庭にあるVHSの遺産。誰か早いトコ法的整備をしてくれませんかねぇ。磁気テープが劣化してからじゃ遅いのよん。


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