眠田直のこんなモノが欲しい!(62)

“あつめよ つねに”



 オタクと言えばコミュニケーション下手で、家から一歩も出ない引きこもり、という古典的イメージで語られる事も今だ多いが、もちろんフィギュア王読者諸君なら「そんなの大ウソ」とわかってくれるだろう。実際オタクなりコレクター道を邁進していると、とても引きこもってなんぞいられない。イベントやショップはこまめな巡回が必要だし、同好の士とはオフ会・飲み会で、情報交換&ダブリ食玩(またはトレカ)の交換を続けなくてはやっていけないハズだ。

 ここでちょっと問題に思っている事が一つある。オタク同士の会合というのは、寄り集まって話してるのは楽しいんだけど、集合場所の決め方・行動予定の割り振り・二次会の会場取りといった実務的な部分での仕切りが悪かったりしがちなんだよね。街中を移動する際も、ダラダラ話しながら道幅いっぱいに広がってたりして、こーゆーのはやっぱり格好悪い。つまりみんな「お友達」で、明確な上下関係が無いから、統率が取れないのだな

 そこでだ。今回の「こんなモノが欲しい」では、ボーイスカウトを参考に「オタクスカウト活動」というのを始めてみたらどうか?と提唱したい。もちろん、通常のボーイスカウトがキャンプなどの野外活動を中心なのに対して、オタクスカウトはあくまで「都市の中」が活動の舞台だ。いかに地下鉄を乗り継ぎ、秋葉原や中野を迷うことなく歩き、コミケやワンフェスで効率よく買い物するか、というのを「隊レベル」でやってみると、メリット大きいんじゃないだろうか。やはりリーダーがいて、メンバーはその指示に従って、という形式を取った方が集団としては断然強いし、有利だからね。

 それに「ヒーローショーを見に行く時の“大きいお友達”としての節度」「コスプレイヤーをカメラ撮影する際の礼儀」「お店に迷惑をかけない行列の並び方」など、モラルを要求される場面ってのが意外と多いからなぁ。
 さらにオタクスカウトのもう一つのメリットが「知識の伝授」。長年オタクやってる年長者は、パソコン・インターネットの使い方やら、ビデオの配線とかゲーム機のメンテとか、はてはセル画の保存方法や古本屋の百円棚でのお宝本探しに至るまで、それなりにテクニックやノウハウが蓄積してますからね。こーゆー知恵を若い人に伝授していくのも今後は必要なのではないかと。特にプラモデル分野なんかは、はめ込み式のスナップキットに流れたせいで、昔の塗装・接着・改造テクを次世代に継承しなかったのは痛かったんじゃないか、という反省も込めてね。

 そしてオタクにとって最も不得意な分野・ファッション! なんかどう頑張っても私服だとセンス悪いだのか着こなしがなってないだのパンピーから文句付けられるのオチなんで、ここはいっそオタクスカウトな「制服」で統一しちゃった方がキラクではないか。

 というわけで、誰か「体型崩れまくってる人間でもカッコ良く見える制服」というのをデザインしてやって下さい。難しいか?


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