眠田直のこんなモノが欲しい!(66)

深き記憶の底から



「懐かしい」という感情は単純なものではない、と思う。一つは「昔見たあの番組をもう一度観たい」とか「子供の頃に遊んだ玩具をまた手にしたい」というシンプルな欲求。人々にこの欲望があるからDVD−BOXや、ソフビ人形や超合金の復刻という市場があって、フィギュア王という雑誌も成り立っているわけなんだが、私はどうやら懐かしさの裏にある、もう一つの欲求の方が強いらしい。

 そう、子供の頃の記憶に断片的に残った映像やキャラ、そして音楽。あれはいったい何だったのかを解き明かしたいという「探求心」の部分である。

 幼少時にTVで観た古いSF映画というのは、やたら怖くてインパクトがあって、衝撃を受けたシーンだけは明確に覚えているくせに、肝心のタイトルやらストーリーは記憶が曖昧というのが多くて、長年心に引っかかっていたのだった。幸いにもこのジャンルは、77年のスターウォーズ・ブーム以降「映画宝庫」とか「フィルム・ファンタスティック」といった資料本や研究書が出てくれたし、最近は「映画秘宝」のおかげで、ずいぶんと謎が解けましたよ!

 ああ、アメリカとソ連のスーパーコンピューターが意志を持ち、人類を支配する話は「地球爆破作戦」だったのか! 蟻によって地球が征服されちゃうのは「フェイズW・戦慄!昆虫パニック」で、爬虫類の再生能力で怪我人を治療しようとして失敗するのは「恐怖のワニ人間」なのね。地下鉄工事現場からバッタ型異星人が掘り出されるのは「火星人地球大襲撃」だったんだ〜! …と、かなり心もスッキリ晴れやか。
 そして近年、インターネットと検索エンジンの発達により、研究書の少ない「海外アニメ」といったジャンルにもやっと光が差してくれたのでありました。
おお、クチビルだけ実写合成で喋る気色悪いアニメは「クラッチカーゴ」だったのかー。なんでコレをオレは「リケッティロケット」と混同してたのかなー、てな事も判ったし。

 あと一番資料の少ない、古いイベント情報がネット検索で判明するのがとっても嬉しい。
 そうか! オレがエキスポランドで見た博覧会は、ソ連科学アカデミー提供の「大恐竜展(79年)」だったのね。この時の展示の目玉はサウロロフスの皮膚の化石で、これに触ると「サウロタッチ証明書」ってのが貰えたのだ。皮膚といっても触感は単に石でしたけど〜。ただ、これで全てが解明されたたわけではなく、実はこのイベントのキャンペーンソングで「♪アイ・ラブ・サウロロフス、私をさらって〜」という珍妙な歌があったんだけど、曲名も歌手も、レコード化されたのかどうかも不明。というワケで今回の「こんなモノ欲しい」はこの歌に関する情報を希望!
 あと「サウロタッチ証明書」も欲しいです。誰か譲ってくれませぬか? なお、欲しいのは大阪版です(東京版はデザイン違うのだ)。

 ヤフオクには出ない…よなぁ。


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