眠田直のコレにハマった(4)

インベーダー・ジム、日本上陸!



 ついに来た来たついに来た! ちょっと前から海外アニメファンの間では話題になっていた「インベーダー・ジム」がついにこの6月からスカパー278チャンネル、ニコロデオンで放送開始ですよ。

 銀河系すべてに侵略の魔の手を伸ばしているアーク帝国。そこには落ちこぼれの宇宙戦士ジムがいた。自分の立場を理解していないジムに対し、リーダーの「レッド」と「パープル」は、もう二度と戻って来れないよう、「極秘任務」と偽って、未開の辺境宇宙にジムを送り込む。その辺境の惑星こそ、我らの「地球」。そのままジムが自滅してくれる事を期待していたリーダーたちだったが、ジムはごく普通の小学生に変装し(でも顔は緑色)、地球でのスパイ活動を着々とこなしていくのあった。
 しかし、同じクラスで唯一ジムをエイリアンだと見破ったのが、オカルトマニアの少年・ディブ。もちろん周りのクラスメイトや先生たちはディブの言う事を誰も信じたりしないので、地球に追放されたジムと、誰からも理解されない少年ディブの、二人きりの孤独な戦いが今日も繰り返されるのであった。

 うおおー、子供向けカートゥーンとは思えないダークでヒネまくった設定! このブラックさの根源は原作者で漫画家のJhonen Vasquezによるところが多い。元々、偏屈殺人狂の主人公の血みどろコミック「Johnny The Homicidal Maniac」や、内気な少年と狂気の仲間達を描いた「SQUEE!」といった子供向け作品とはかけ離れた作品ばかり描いてきたVasquezなのだが、どういうわけか子供向け専門チャンネル・よい子のニコロデオンが彼に新作アニメーション用のアイディアを依頼。そうして出来上がったのがこの「インベーダー・ジム」なのである。

 病んだ世界観とダークでクレイジーなストーリーは、本来の視聴者である子供たちはともかくとして大人には大ウケ。かつエンターテイメントとしての完成度の高さも評価され、2001年には米アニメ界のアカデミー賞にあたる「アニー賞」を受賞する。
 しかし元来が「なんで通ったのかわからんよーな企画」であったため、いろいろあってシーズン2の途中で製作は打ち切り。今回の日本放映でも米未放映分をオンエアするかどうかが、ファンにとってはやきもきするところだ。…というわけでフィギュア王読者諸君も是非スカパーで「インベーダー・ジム」を視聴して、全話放映できるよう応援してやってほしい。

 キャラクターとしてメインを張るのはジムとディブだが、その脇役たちも魅力いっぱいだ。ジムの相棒ガーはガラクタを寄せ集めてでっちあげられたロボット。地球では犬の着ぐるみを着て変装している。このガーの仕草や動きがなんとも可愛いくて、既にぬいぐるみなんかも発売されている。一方、ディブの妹、ガズは孤高の天才ゲーム少女。彼女の魅力についても語りたいところだが、紙面が尽きた。とにかく、一度観てくれ!


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