眠田直のこんなモノが欲しい!(9)
魔法陣グルグルの不幸
元の素材はいいのに、展開の方はサッパリという不幸な事態がまれにあります。「魔法陣グルグル」とはそんな作品でした。
(はぁ〜さっぱりさっぱり)
まずはTVアニメ版。これは脚本・演出陣が頑張りを見せ、漫画原作から離れたシリーズ後半も「魔法剣キラキラ」とか「秘技・かっこいいポーズ」とか、「グルグルらしさ」を理解した上で作られていたので安心して観る事ができました。作画方面では、田中穣作監の回のキャラの可愛らしさ(特にククリ)は、特筆すべきものがありましたね。
…ただねぇ、それだけにあの幕切れの悪い最終回には困っちゃいます。大魔王ギリを目前にして、主人公ニケとククリが「や〜めた」と言って戦いを放棄しちゃうという「ハズシ」た終わり方だったのです。もちろんギャグアニメだから、こういう終わり方だってアリなんですが、このオチはどうも苦しまぎれな感じ。「グルグル」の世界観なら、もっと洒落ててぶっ飛んだオチだって可能だったろうに。
さてグルグルの不幸はこれだけじゃあない。ニケもククリもフィギュア向きのキュートなキャラクターなのに、タカラから出た4体セットの人形も、ビーダマン仕様のギミック付きトイも、どうも造形がいまいちで購買欲沸かず。ギップルちゃんのマント部分とか、もうちょっと凝ってほしかったぞ〜。あとタテジワをはじめとするマヌーな敵モンスターも含めて、これほどUFOキャッチャー向きのキャラもないだろうに、ぬいぐるみ化されなかったのは残念の一言。
次に音楽。なんと最初に出たCD「ジミナ村の祭典」は、TVアニメ内で使っているBGMは一曲も入ってない「イメージアルバム」というふざけたシロモノでした。たとえ音楽的には優れていても、ファンはこんなの嬉しくないんだよー。ああああああ。オレ、プロデュース側のこういう勘違いって一番キライ。
(ちゃんとしたサントラ盤も後で出たけどさ)
最後にゲーム。まぁ私もオタク歴長いですから、人気アニメがゲームになる場合、元の作品の知名度に頼っただけのショボイものになりがちな事は、重々承知しておりますよ、ええ。でも「グルグル」は、もともとRPGのパロディ的要素がかなり濃厚な作品だし、なんといっても原作の版元はかのエニックス。そこがゲームも発売するっちゅうんだから、こりゃ期待しちゃうよねぇ。でもその結果…。いやまぁクソゲーとまでは言わないけどさ、もうちょっと頑張ってほしかったよなぁ。悲しくなってその後「ドラクエVI」とかの別のゲームで「ニケ」とか「ククリ」の名前を付けてウサ晴らししちゃったよ。
今回の結論。原作漫画も貯まってきた事だし、アニメ版の続きを作って下さぁい。あの最終回ならいくらでも続けられるハズです。ゲームは変にシステムに凝らずに、普通のRPGでいいから、楽しく遊べるのをお願い。あとはマトモなフィギュアと「1/1グルグルの杖」みたいな洒落たグルグルグッズを希望。
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