「ノストラダムスの肩すかし」


 あれ? あれれれれれ?
 ふと気がついたらもう7月じゃん!

 そう、かの大予言者ノストラダムス様が、「恐怖の大王が天より現れて世を滅ぼすであろー」と予言された1999年の7月なのである。
 …しかし、世間的にはなんかいまいち盛り上がってないねぇ。みんな宇多田ヒカルとか野村タイガースの奮闘とかスターウォーズの新しい映画とかに興味が行っちゃってるみたいでさぁ。

 ブームをあてこんで、Tシャツやトレーナーなどのノストラダムスグッズを通販してくれるサイト(http://www.exe.ne.jp/~nak/)もオープンしているが、カウンター数を見る限り、商売的には苦戦している模様。

 ま、もともとノストラダムスの書いた予言詩自体が、抽象的で如何ようにも取れる書き方な上に、我々日本人には難しいおフランスの古文なワケだから、研究者によってその解釈はさまざま。
 かの有名な「恐怖の大王」の詩だって、核戦争や宇宙人の侵略や小惑星地球激突の予言だとするポピュラーな説から、「あれは任天堂の新ゲーム機発表の事だ!」という珍説までなんでもあり状態。こう具体性に欠けてちゃ、盛り下がるのも無理ないかな。
 ちなみに最後のはノストラダムスの詩をすべてギャグで解読してみせようという、頭脳組合・編「ノストラダまス/予言書新解釈」(彩文社出版・刊)からのモノ。著者のHPが(http://www.asahi-net.or.jp/~gp4k-ytgi/)にあるので、アンゴルモア大王を笑い飛ばしたい方はこちらへどうぞ。

 また、もう少しマトモにノストラダムスについて知りたい方は「ノストラダムス研究室」(http://www.sam.hi-ho.ne.jp/hayatos/)のページを起点に、リンクページを辿っていくのがよろしいかと思う。

 ところで、今の若い人にはピンと来ないかもしれないが、五島勉著「ノストラダムスの大予言」シリーズ(祥伝社・刊)がベストセラーになった73年当時、小学生であった我々の世代は「ぼくらが大人になった頃には、この世界は滅びてしまうんだ!」と本気でビビらされちゃったのだ。
 それにあの頃は「日本沈没」の大ヒットとか、漫画では「デビルマン」や「バイオレンスジャック」、映画では「赤ちゃんよ永遠に」に「ソイレントグリーン」と、とにかく「人類の未来はもうダメダメ〜」ってな思想を、骨の髄まで叩き込まれちまいましたからねぇ。今の30代くらいの人間は。
 そういう観点からすると、実際にはフヌケのよーな1999年が来てしまったわけで、なんか壮大なる肩すかしって感じ。責任者出てこーーーい!
(いやぁ、実際には環境問題とかユーゴ情勢に不景気やら、いろいろ現実は大変だってのはわかってるんですけどね…)

 つまり60年代の「科学万能ピカピカ未来都市」の世界も来なかったけど、70年代の「大破壊人類滅亡荒廃都市」の世界もやっぱり幻想だったのだ。退屈な日常をリセットしてくれる「ハルマゲドン」ってやつが来るのを、ビビリながらもちょっぴりワクワク待ってたのにさ。

 そんな我々30代のイイ大人としては、74年公開、あの丹波哲朗先生主演の東宝大特撮映画「ノストラダムスの大予言」(http://www.fastnet.ne.jp/~studio-k/MOVIE/9609/960912.html)などを観ながら一杯やるというのが、正しい世紀末の過ごし方だと思うのだが、あいにくこの映画、表現上の問題とかがあってビデオ化されてないでやんの。

 うーん、最後までシケてやんなぁ。


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