パワーパフガールズDVD解説

解説
見どころ

Volume.1
 カワイイ!強い!カッコイイ! 史上最強の幼稚園児、ちっちゃなスーパーガール3人組「パワーパフ・ガールズ」が今日もまた「オネムの前に世界を救う」ぞ!
 スピーディな展開、ポップなデザイン、プリティなキャラクターと、今までに無い新鮮な感覚で作られた、アメリカ新世代カートゥーンの傑作が待望のDVD化。
 第1巻は宿敵モジョ・ジョジョとの初対決を描いた「とべ!最強の幼稚園児」、パワーパフガールズを作り出した事によって、はからずも未婚の父(?)になってしまったユートニウム博士に、悪女の甘い罠が迫る「美女にご用心!」、“彼”の心理攻撃にもめげずにがんばるバブルスが健気な「たいせつなもの」、いつもは強気なバターカップが、恋に落ちると急に純情になっちゃう豹変ぶりが可愛い「キケンな初恋!?」、怪奇モノと思いきや、なぜか後半いきなりスターウォーズのパロディになっちゃう「暗いのコワイ!」他3話にプラスして特典映像・少年ナイフの「BUTTERCUP(I'M A SUPER GIRL)」も収録。
 子供はスーパーガールの活躍にワクワクし、ティーンエージャーならアメリカンテイストのキュートなキャラクターに、そして大人は
パロディ&ブラックな隠し味とニヤリとできるという、まさに誰が見ても楽しめる21世紀のアニメーションだ。
とべ!最強の幼稚園児 Monkey see, Doggy Do
●アヌビスの神 エジプト神話に登場する冥界の王。頭は作中にあるように山犬の姿である。●しゃべる犬 一匹だけ人間に戻る事ができなかったようで、この「しゃべるワンちゃん」はレギュラーとして今後も何度か登場する。●空中に浮かぶハートマーク 市長さんが緊急時にガールズを呼ぶサイン。通常はホットラインを使用するので、こっちの出番は少ない。元ネタは「バットマン」から。●犬用のお皿 "Professor"(博士用)と書かれている。ブロッサムは律儀であるなぁ。●銀行を襲う犬種 ちゃんとドーベルマンになっている。これは訓練した犬に銀行強盗をさせるというストーリーの映画「ドーベルマンギャング('73)」からの引用であろう。
美女にご用心! Mommy Fearest
●パペットパル 冒頭でガールズがTVで観ている人形劇。「デクスターズ・ラボ」にも同じ番組が登場する。もちろん米幼児番組の老舗「セサミストリート」のパロディ。●その他もろもろ デートの準備シーンで、バターカップは博士のポケットに一体何を入れたのか? この後、短時間で博士がグッドレディに籠絡された事実と合わせて、大人なら深読みしようね♪ ●こっそり戻ってくる3人 「いかにも」なポーズが可愛い。●バブルスの攻撃 一旦、セドゥーサの足を踏んで動きを止め、アゴにアッパーという高度なテクニック。その次のカットでは足に噛みついてるし、優しいバブルスにしては容赦の無い攻撃。イジワルされた恨みは深かったらしい。
たいせつなもの Octi-Evill
●彼 誰もこいつの事を名前で呼ばず、ただ“彼”と呼ぶのは「怖いから」という理由以外に「悪魔は本当の名前を知られると魔力を失う」という伝承があるのが、設定のヒントになっているのかも。●オカマ喋り  CARTOON NETWORK作品「カウ&チキン」に登場する悪魔・レッドガイもなぜかオカマ口調で喋る。トゥーンの世界では、悪魔はみんな赤くてオカマなのだろうか?●オクティ 日本ではひょうきんなイメージのタコだが、西洋では「悪魔の魚」と呼ばれる不気味な存在。だからタコのぬいぐるみを大事にしているバブルスってちょっと変わった子なのだ。今回の“彼”が乗り移った悪いオクティの方が、アメリカ人の蛸イメージに合ってるかもしれない。
悪い事したい!? Geshundfight
●アメーバー・ボーイズ ボスと小さい奴、マヌケなノッポという組み合わせ。それにあの帽子スタイルは、50年代のギャング映画に登場する街のチンピラそのもの。でも単細胞生物のアメーバーという組み合わせの落差がおかしい。ちなみに彼らはパワーパフガールズ最古参の悪役でもある。●病気の感染ルート 妙にリアルで怖い。●横転したアイスクリーム販売者に群がる子供たちこれはこれで怖い。●上空から見た街の惨状 車や人の描き方など、うまくデザイン的に処理されている。こういうグラフィックセンスの良さも本作品の魅力の一つ。●ガールズVSボーイズ ヘタっているガールズに合わせて、音楽までへっぽこになっちゃうのがグー♪
キケンな初恋!? Buttercrush
●ギャングリン・ギャング レギュラー悪役の中で、彼らは普通の人間、ただの不良グループである。その分、子供たちには身近な存在で、いじめシーンなどマジで怖いのでは? 肌が緑色なのは人間っぽくないが、これはチームとしての結束を高める為の化粧かも。アメリカの不良グループの生態を知りたければ、ウォルター・ヒル監督の「ウォリアーズ(79')」を観てみよう。●グラバー 「落ち着け!」のシーンで、こいつだけバイオリンを弾いている。実は育ちが良いのか? 声色の特技といい、妙に奥の深いキャラである。●ごめんなさい バターカップのセリフはラストのこの一言だけ。この抑えた演出が、恋に落ちたバターカップの可愛らしさをよく表現している。
さわっちゃダメ! Fuzzy Logic
●オラの土地にへぇるな! ファジーの排他的な性格は、保守的で偏屈な「アメリカの田舎者」のカリカチュア。似たようなキャラクターにハンナ・バーベラの「じゃじゃ熊一家」のクマの父ちゃんがいる。ここのオヤジも気に入らない事があるとラッパ銃を乱射していた。●ファジーのパイプ 田舎者らしく、トウモロコシの軸で作ったコーンパイプをふかしている。マッカーサー元帥もこれを愛用してましたな。●実はモモンガだった このギャグには意表を突かれた。原語では"flying squirrel"(ムササビ)となっている。●ガールズを一撃で3人ともKO 怒った時のファジーは、ガールズに登場する悪役の中でパワー最強なのかも。モジョには真似できない。
暗いのコワイ! Boogie Frighits
●ベッドの下にお化けがいるかも? アメリカの幼児にとって、最もポピュラーな恐怖。バブルスが怖がるのも無理はない。●楽しい事はみんな夜 バターカップのセリフにあるコレは、逆にティーンエージャーの発想。オバケ達のパーティーがディスコ調で、ブキーマンが「サタデー・ナイト・フィーバー(77')」ばりの白いスーツを着込み、リムジンで登場するのにもご注目あれ。つまりこのお話は、“夜が怖い”子供たちと“夜が楽しい”若者文化の対決であるのだ。●ミラーボール破壊 言うまでもなく「スターウォーズ(77')」のパロディ。バブルスが博士の言葉を思い出すところは「ルークよ、フォースを使え」の名シーンそのまま。
復讐のマジック Abracadaver
●市長の回想 わざわざモノクロ、フィルム傷を入れ、音楽もサイレント映画の伴奏調と芸が細かい。●ゾンビ映画 蘇った死人“ゾンビ”は元々ハイチの妖怪。ジョージ.A.ロメロ監督の「ゾンビ(78')」のヒットにより、その後世界中で作られたゾンビ映画はなんと総数260本以上! 多くが低予算のC級ホラー映画なので、アメリカでも深夜にしかTV放映されない。つまりガールズは幼稚園児にも関わらず、この日はかなり夜更かししているワケだ。ブロッサムがバケツ入りポップコーンを抱えているのも、アメリカ人らしい映画視聴スタイル。●ドアから出るガールズ 普段は屋根を突き破って飛び出していくのに、今回はドアを開けて出動。ゾンビが怖いのね。
映像特典:SHONEN KNIFE「BUTTERCUP(I'M A SUPER GIRL)」

Volume.2
 お砂糖・スパイス・すてきなものをいっぱい。全部混ぜるとムッチャかわいい女の子が
できるハズだった! なのにどうしてユートニウム博士はケミカルXなんか入れちゃったんだろう!? そんなガールズの誕生秘話と、かつては博士のペットだったモジョとの因縁が語られる「ふたりの秘密」や“正義の味方はガールズだけじゃないぞ!”と新たなヒーローがタウンズビルにやってきた。…でもこの男、どこか怪しい。その名も「正義のメイジャーマン」といった傑作エピソードに加え、ブロッサムの新しい技“氷の息”が生まれる「地球がピンチ!」、そしてバターカップは友達に「ごめんなさい!」と素直に言えるのか? 三人の中で一番か弱いと思われていたバブルスが実は…、のギャップが楽しい「カワイイだけじゃイヤ」と、DVD第2巻では
キャラクターにも深みが増して、さらに面白
く、さらに魅力的になってきた!
 特典映像には日本版オープニングテーマ、P.P.Sの歌う「CREAM PUFF SHUFFLE」のミュージックビデオを収録。
 最後に一言ご注意。エミー賞にもノミネートされた実験的エピソード「市長さんの一日」では、真っ暗な画面な数分間続くけど、それは決してあなたのTV及びDVDプレイヤーの故障ではありません。ご安心を〜♪
電話にご注意 Telephonies
●公衆電話 イタズラ電話をかけるギャングリン・ギャング。よく見ると電話機にコインを投入していない。こいつらの事だから電話タダがけハッキングとかしているんだろうな。●お金には縁が無くて そう言えばユートニウム家はどうやって収入を得ているのか。発明品の特許料? ●あたし達からかわれてるんじゃないの? このシーンで、バブルスの目線はTVに向いてる。細かい描写だけど注意力散漫な幼児らしさがよく出ている。●閣下 普段は偉そうなモジョが、カレに対してだけは敬語モード。悪者たちの中にも序列があるようだ。●悪者だが市民権はある 悪魔や猿、それに「ピンク色の種類不明の動物」には普通市民権は与えられないと思うが…。
みんな大好き Tough Love
●クワッカーちゃん オモチャのアヒルと話しながら、悪だくみをするカレ。ティム・バートン監督版の「バットマン('89)」にも、同じようにジョーカーが死体と語り合いながら悪事のアイディアを練るシーンがあるが、それに通じる不気味さである。●こいつらをつかまえろ! ちゃんと重武装のSWATが突入してくる。ガールズを相手にするなら、これくらい屈強な部隊でないとね。市長にしては用意周到。●ぶっとばしちゃおう! いかにもバターカップらしい発想。普通、スーパーヒーローは操られた一般人を傷つけられないというセオリーを、一気にひっくり返しちゃった一言。この後のシーンはヒドイんだけど、お約束破りのカタルシスがあって爽快。
正義のメイジャーマン!? Major Competition
●冒頭の群衆 「宇宙家族ジェットソン」のジョージが特別出演。●メイジャーマン 赤いマント、派手な配色のコスチューム、筋肉モリモリの身体。典型的なアメコミヒーロー。●うわ、だっさー この後の「カッコよくなりたい!」の回を見ても、バターカップは典型的アメコミヒーローは好きじゃないようだ。●列車を救うシーン 目からビームを出して線路を溶接するあたりなど「スーパーマン」そのまんま!●車椅子の男 服装からして傷痍軍人らしい。ちゃんと敬礼するし。●目指すはメイジャー博士 その後「スーパー博士、空を飛ぶ!!」でこの夢は実現する。●これぐらいでいい? ラストシーン、フレッドだけ目が笑ってない。本気で痛かったのか…。
ふたりの秘密 Mr.Mojo's Rising
●透明なトカゲ? 博士の実験室にはかなり怪しいモノが…。●いろんな物をいじくりまわしてすごす よく考えたらひどい言い草。ナレーターは博士が「科学の実験」ではなく、単に地下室で遊んでいるのだと思ってるらしい。●モジョが悪に走った理由 こういう屈折した生い立ちの悪役は「バットマン」に多い●昔の事は忘れちゃった 博士の過去もあまり明かされないし、何かと謎の多い人物である。●ちょいナニこれ バターカップが吐き捨てるように言うセリフ。醒め切った感じがクール。●こうなったのもオレのせい? やはりモジョはガールズにとって、その誕生にまで関わる因縁の相手。この設定はその後のエピソードにはあまり登場せず、残念。
ごめんなさい! Paste Makes Waste
●ノリ食い 糊の主原料は澱粉なので食べられるのだが、最近の糊は化学処理されているので真似しないように。●エルマー 水木しげるの描くキャラに似ている。そう言えば、このお話って絵柄を変えたら水木漫画になりそう。●気持ち悪〜い こらハリー・ピット、お前がそれ言うか!? ●でもは無し 本作品にはよく登場するセリフ。親や先生の立場からすると、子供にはコレ言いたくなるよね。●TOXIC SAMPLES 毒物で突然変異というネタは米作品には多い。その名も"TOXIC CRUSADERS"なんてヒーローチームまでいる。(「悪魔の毒々モンスター('84)」のアニメ版)●ラストシーン エルマー、結局人間に戻れずじまい。この突き放した終わり方がドライでいいなぁ。
地球がピンチ! Ice Sore
●博士のコーヒーカップ "Science is Cool"と書かれている。コーヒーをこぼして大騒ぎする博士との対比が効いてる。●氷の息 吹いてるように見えるが、凍らせるという事は、実は物体の熱エネルギーを吸収する技なのであろう…、ってSF考証するのも野暮だな。●バブルスはスペイン語が話せる 今後ガールズが南米に出張する時が来たら、役に立ちそうな特技である。●約束するわ、博士 そう言った舌の根も乾かぬ内に、次のカットで氷の息を使っているブロッサム。新しい技が嬉しくてたまらないのね。「優等生でもやっぱり子供」な面が出ていて可愛い。●電気工事の人 半ケツ出してる。暑さの描写と合わせて、この辺ワザと不快感を煽る演出が見事。
カワイイだけじゃイヤ Bubblevicious
●シミュレーション・ルーム 配色は違うが、「新スタートレック」のエンタープライズDにも「ホロデッキ」という同様の設備がある。戦闘レベルを調整できるところも一緒。●モンスター軍団VSバブルス一番か弱い感じのバブルスが、パワーではガールズ最強という事が証明されるシーン。バターカップの「普段は乱暴だけど根は女の子らしい」とか、ブロッサムの「優等生でもやっぱり子供」と合わせて、この辺りから次第にキャラクターに深みが出てくる。●運転は苦手だワン 渋滞の原因。「犬に運転させるなよ!」ってツッコミたくなるが、元は人間だったんだっけ。●芝生に入るな アメーバ・ボーイズも今回のバブルスだったら相手してもらえたのにね。
市長さんの一日 The Bare Facts
●し・ち・小さいよ… このバカ市長は"Mayor"も綴れないのか。●真っ暗シーン 暗闇の中で声のみ聞こえる実験的演出。日本では放送事故扱いになってしまうため、テレビ東京での放映時にはテロップ処理されていた。●三人の主観映像 バブルスはクレヨン画、バターカップは緑と黒のハードな画面と性格がよく出ている。ブロッサムの主観になると、常に自分が中心に大きく描かれ、「私が」のセリフがやたら多いのに注目。●忍者が使う武器 忍者がヌンチャクを使うというのは、日本人からすると違和感があるのだが、アメリカ製ニンジャ映画の世界では、クンフーとニンジャがゴチャマゼになっているので、ブロッサムのこの発言も仕方無いのである。
映像特典: P.P.S「Cream Puff Shuffle」

Volume.3
 男の子って何でできてる? ちょんぎった毛にカタツムリに子犬のしっぽ。そんなものでできてるのさ! お砂糖・スパイス・すてきなものいっぱいで作られためっちゃキュートな女の子、パワーパフ・ガールスの前に現れたのは、彼女たちとはまるで逆の存在。
「気に入らない奴はみーーんなぶっとばせ!」
 超ワルくて生意気でパワフルな腕白少年3人衆、ラウディラフ・ボーイズ!! 強力ライバルとの大激突が展開する力作「強敵あらわる!ボーイズ軍団」で始まるDVD第3巻は、続く「誕生日は大騒ぎ」では、あの“彼”が楽しいはずの誕生パーティーを利用して、プレゼントに罠を仕掛けてくるし、宿敵モジョ・ジョジョは「史上最強の作戦」“パワーパフガールズを滅ぼす方法、永遠に”を考え出すし、さらには金の力で何もかも思いどおりにしようとする超ワガママお嬢さま・プリンセスが、ガールズのスーパーパワーを奪おうとする「プリンセスの野望」と、今回はドドーンと“わるもの大逆襲”編だ。これじゃさすがのガールズも「もうお手上げ!」か!?
 女の子にはかわいいキャラクターを、男の子には燃えるバトルを、まさに老若男女問わず楽しめるアメリカン・ニューウェーブアニメーションの決定版。特典として日本版エンディングテーマ「WIN,LOSE OR DRAW」のミュージックビデオも収録。
強敵あらわる! ボーイズ軍団 The Rowdyruff Boys
●逮捕されるモジョ 指紋がある動物はヒトとサルだけ。でも手袋の上から指紋採取してないか? ●牢獄の中のモジョ 黒バックに浮き上がる緑の顔面。復讐に燃える赤い目。配色とデザインが秀逸なシーン。●マザーグース パワーパフガールズが「おさとう・スパイス・素敵なものいっぱい」から作られたのは、イギリスの童謡“マザーグース”にある「女の子って何でできてる?」の唄にちなんだもの。逆にラウディラフボーイズの製法はこの唄の前半部分「男の子って何でできてる? 蛙にカタツムリ、子犬の尻尾」通り。モジョは蛙ではなく「ちょん切った脇毛」を材料にしているが、アメリカでは"Frog"の部分を、"Snips"(切れ端)として唄う場合もあるそうなので、間違いでは無いようだ。●ぐるぐる攻撃 足の力は手の3倍なので「相手の方がパワーが上」と読んだブロッサムが、キック技に切り換えたのだろう。理論家のブロッサムらしい戦法。●市庁舎の窓にへばりつくガールズ やられた時の表情にも三者三様の個性が出ている。●イモ食ったから 原語ではブリトーというメキシコ料理。芋と同様にオナラの原因とされる。●ガールズの最期? 白い半球爆発は、大友克洋原作のアニメ「AKIRA(88')」調。●キスで分解するボーイズ 後の「ガールズの妹!」の回でもそうだが、どうもマザーグースの製法で作られた生命体は不安定らしく、大きなショックを受けると分解してしまうらしい。ガールズ達は大丈夫?
誕生日は大騒ぎ! Birthday Bash
●プリンセス 彼女が監獄に入っている理由は、DISC-5収録の「プリンセスが来た日」を参照。●パーティーの客 客の中にピエロのレインボーが。彼はDISC-4の「色がなくなっちゃった!」でガールズと対決する。あと「スターウォーズ」のレイア姫に似た女性が混じってるね。●モジョのロボット 紫・灰・黒という配色は「トランスフォーマー」のデストロン軍団のイメージカラー。●プレゼントが台無し! みんなを危険にさらした事よりも、こっちの方が三人の怒りに火を付けたようだ。●お菓子の入った牛 中南米の風習・ピニャータ。作中にあるように割って遊ぶ。だから博士がブロッサムに「割る時は目隠しを」と言うシーン、BGMがメキシコ調。
もうお手あげ! Too Pooped To Puff
●ドーナツ 米作品に登場するダメ警官って、大抵ドーナツ食ってるのだが「ドーナツ=馬鹿の食い物」というイメージでもあるのだろうか? 似たような警官が「サボっちゃダメよ」にも登場する。●ダメ博士 無精髭、たるんだ下腹、ダレた靴下と、本作品は「嫌なリアリティ」の表現が実に上手い。●博士の帽子 TVから目を離さずにジュースが飲めるようになっている。非常に自堕落なアイテム。●博士にイジワルするバブルス リモコンを落とすタイミングが絶妙! ●タウンズビルの人々 幼稚園児より頭が悪いのは問題だよな。後半は会話劇だけで成り立っているので、ガールズ三人のツッコミに対する、街の人々のボケっぷりを充分堪能してほしい。
夢みたい! Dream Scheme
●ここはある国 あの〜「日本」ってはっきり書いてありますけど…。●眠りの精がやってきた♪ これもマザーグース童謡の替え歌。●眠りの砂 妖精に目に眠りの砂を入れられると眠ってしまう、というのは西洋に古くからある伝承。●ピーナッツあげるから それで博士を説得できると思っているのか、バブルスは。●悪夢のシーン 実写合成にネガポジ反転と、凝った画面効果の連続だが、CGに頼らないあたりは70年代のサイケデリック映画っぽい。しかもバッドトリップ状態。●ベッドの足が伸びる ウィンザー・マッケイ原作の「リトル・ニモ(88')」にもこんなシーンが。●心を入れ替えた眠りの精 しかし根本的な問題は何一つ解決していない…。
史上最強の作戦 You Snooze You Loose
●ブループリント 「トムとジェリー」しかり「ロードランナーとコヨーテ」しかり、トゥーンの世界では「計画図を作ると必ず失敗する」という法則があるのだが、モジョはそれを知らないらしい。●やたら寝付きのいいモジョ うらやましい。●モジョの持ち物 針を刺したブロッサム人形が…。よっぽど憎たらしいようだ。アヌビス像もちゃんと保管してある。●ジュニアの口からは何でも出てくる 藤子.F.不二雄の「モジャ公」と同じ能力。●レーザーガン貸してくれない? バブルスの足の動きに注目。●ガムを食べるガールズ ピンチを切り抜けるためには仕方無いが、それ、ジュニアの口に入ってたのを、お風呂の水でふやかしたやつなんだけど…。
プリンセスの野望 Mo Job
●クレヨン画 プリンセスも計画図を…。彼女もトゥーンの法則はご存知無いらしい。●プリンセスの部屋のTV ワイド画面ハイビジョン! さすがは金持ち。●公園の子供 あっ、君が遊んでるそれはジャンボマシンダー!? ●脱力剤 ラウディラフボーイズの事件以降、モジョは独自にケミカルXの研究を続けていたようだ。この後もDISC-5の「女の子はつよいのよ!」や「パワーがほしい!」などでケミカルX絡みの戦術を展開する。●かみなり攻撃 …と、バブルスは言っているが、実際には超音波を使った技のようだ。●大当たり! このシーン、モジョは嬉しそうな顔をしている。生意気なプリンセスにこき使われたのはイヤだったのだろう。
かわいいペット!? Pet Feud
●ビーボを飼う時のお約束 ジョー・ダンテ監督「グレムリン(84')」の設定に似ている。ビーボの外見や、最後に分裂して増えるあたりは、「宇宙大作戦/スタートレック」の「新種クワドロトリティケール」に登場する“トリブル”が元ネタっぽい。●冷蔵庫のマグネット ピ○チュウ? ●かくれんぼ ガールズはそれで隠れたつもりなのか。でもバブルス花瓶は本当に商品化されないかな。●やめてビーボ、あなたが大好きなの バブルスと心が通じ合ったかのように見せかけて、…やっぱり食っちゃうくだりは本作品らしいドライな演出。●体内に組み込んでおいた自動安全装置 博士、ガールズの体内には変なモノ組み込んでないでしょうね?
映像特典: P.P.S「WIN,LOSE or DRAW」

Volume.4
 タウンズビルの救世主か? はたまた鋼鉄の破壊神か!? ユートニウム博士がガールズを心配するあまり作り上げた巨大ロボ“ダイナミック・テクトロニック・モノボット”その名も『パワーパフ・ダイナモ』が、日本人街で怪獣相手に大暴れするスペシャルエピソードでスタートする第4巻は、ガールズ三人のかわいい歌声が世界を救う「色がなくなっちゃった!」や、悪党モジョ・ジョジョの日常生活を描いた異色作「モジョのステキな一日!?」に、バターカップのお風呂嫌いを治したのは、キーン先生や市長さんの説得でもなく、意外な相手からの一言だった「おふろなんてキライ」と、ユニークなパワパフキャラクター達のいろんな面が楽しめるぞ。
 そして人間の心を操る悪ーーいネコちゃん「博士がドロボー!?」や、ガールズの評判を落とそうと暗躍する3人組「ニセモノあらわる」にも負けなかったガールズが、唯一大ピンチに陥った相手は、テレンス・スタンプもビックリのマニアックコレクターだった!
「ねらわれた三人」の運命や如何に!?
 まさに今回はどこから見ても傑作エピソード揃いの充実内容だ。その上、特典映像には地上波未放映のパイロット版「Meat Fuzzy Lumkins」を収録。デビュー当時のちょっと頭身の高いガールズは、今見ると逆に新鮮。ファン必見!
巨大ロボ!ダイナモ登場 Uh,Oh... Dynamo
●超高級なレストラン でもドーナツ屋だ。●リトル・トーキョー 「ハナバベラ」「カブトエビ」などの怪しい日本語の看板が氾濫。●日本人はやたらと子供の写真を撮る …人種だとアメリカ人には思われているらしい。否定はしないが。●ダイナモの主観画面 「ロボコップ(87')」に酷似。●木曜日 珍しい宇宙服スタイルが見られる。スーパーパワーを持つガールズも、大気圏外ではそれなりの装備が必要なようだ。●大好きなジュースを飲む日 ここでバブルスが飲んでいるのはどうやらルートビア。木の根の汁を発酵させて造った炭酸飲料で、強烈な匂いと味がする。●ダイナモ発進 地下からせり上がってくる辺りは「マジンガーZ」な雰囲気。シャキーンという効果音や、決めポーズの3回リピートなども日本製アニメ調。でも飛び去るところは「スタートレック」のワープシーンだし、和魂洋才ならぬ洋魂和才な名シーン。●OK、トウキョータウンズビル このセリフはチープトリックのパロディ。"BUDOKAN"と書かれた看板が見えるのも、チープトリックのアルバム「At Budokan(78')」からの引用か。●全身からミサイル発射 「伝説巨神イデオン」「超時空要塞マクロス」にも似たシーンが。ちなみにこの回の爆発パターンは普段と違ってかなり日本アニメ風。糸を引くようなミサイルの動きにも注目。●踊るダイナモ マイケル・ジャクソンばりのロボットダンスを披露。最近のマイケルはコレやってくれないが。
博士がドロボー!? Cat Man Do
●悪者に抱かれた猫 猫を抱く手元だけが見えて、顔がわからないあたりは、007シリーズの宿敵プロフェルドが原型だろう。もっとも今回の場合は、本当の悪者は別にいるというのがミソなのですが。●博士を説得するガールズ 本作品では、演出家が子供のしぐさや生態をよく観察してガールズの描写に取り入れているが、今回も「三人同時に喋りまくるので博士はまったく聞き取れない」部分や、博士に「飼っちゃダメ!」と言われた時に見せる、ガールズのなんともいえない口元の表情が実に子供らしい。●宝石盗難シーン 「ミッション・インポッシブル(96')」や「ルパン三世」並みに凝っている。ネコのツメがガラス切りになっているのがおかしい。
色がなくなっちゃった! Mime For a Change
●レインボー パーティへのピエロ(クラウン)の派遣サービスというのは、アメリカでは一般的なのだろうか? ちなみに「デクスターズ ラボ」のディーディーの誕生パーティでもピエロを呼んでいた。●えーと、ジム 依頼主の子供の名前を一瞬忘れる辺りがリアル。●果物売りのおじさん 「悪い事したい!?」にも出てましたね。●これは青のハズ! 日本の郵便ポストは赤いけど、アメリカのは青。●ブロッサムのギターアクション 元ネタはチャック・ベリーか? ●Love Makes The World Go Around この歌、ぜひガールズの歌声のままCD化してほしいものだ。アルバム"Heroes & Villains"の隠しトラックに入ってるが、なぜか博士とミス・ベラムのデュエットバージョン。
モジョのステキな一日!? Just Another Manic Mojo
●モジョの目覚まし時計 シャレたデザインである。一個欲しい。●サイフ忘れた わざわざあの長い階段を上り下りさせるあたり、モジョのイライラ感をつのらせるイジワルな演出。●バブルス 赤い野球帽を後ろ前に被り、ずっとガムを噛んでる。いかにも“イタズラ小僧”といった雰囲気。●なにかなコレ 子供は「触ってはいけない」と言ったモノに限って、絶対触りたがります。●かくれんぼ 子供は飽きっぽいので、すぐ次の遊びに移ろうとします。●キャンディーやるから 子供の相手は大変です。●今日はモジョに救われた …もしかして、何も事件が起こらない日のガールズって単に迷惑な存在なのかも。あのスーパーパワーで遊びまくるわけだし。
おふろなんてキライ! Down n' Dirty
●1回めの入浴シーン ブロッサム、お風呂に入る時にはちゃんとリボンを外そうね。●2回めの入浴シーン 今度はちゃんとリボンを外している。珍しく髪を下ろしたバブルスも見られる。●お絵描き バターカップのお絵描きシーンも珍しい。ところで、一体何を描いているのだこの子は。●街の人に追われるバターカップ 「フランケンシュタイン(31')」を彷彿とさせる、ちょっと怖いシーン。わざわざみんな手にたいまつまで持ってるし。●3回めの入浴シーン 今回は「よい子はちゃんとお風呂に入りましょう」という教訓的エピソードでした。ただしその結論にたどり着く理由が「もっと敵と戦うため」というのが、いかにもバターカップらしい。
ニセモノあらわる! Powerpuff Bluff
●ナイスバディ 原語では"Sweet Cheeks"。「ねーちゃんいいケツしてるじゃん」的なニュアンスらしい。ミス・ベラムが嫌がるわけだ。●すてきな絵もやる な、なんちゅう絵や…。●そしたらヘアスタイルはポニーテールに 三悪人の内、ゴツいモヒカン男が一人だけ少女趣味の空想をしているのが、気持ち悪いけど面白い。●この瓶がお金でいっぱいになったら… この額でそこまでは無理だ。ブロッサムのよい子ぶりと、子供らしい金銭感覚の無さが同時に表現されているグッドなシーン。●中華料理店 バターカップ役の黒人だけ、箸がうまく使えてない。料理が紙パックに入っているが、これは本来はテイクアウト用。この辺描写が細かい。
ねらわれた3人 Collect Her
●レニー はみ出したブリーフで名前が判明するなんて…。出だしからしてヤなキャラ。●ガールズのフィギュア あ、ロゴがパイロット版のだ! ●グッズ部屋 特典目当てに、このブロッサム缶を買ってしまった貴方には笑えないかもしれない。●パソコン 今時DOSである。レニーはグッズ収集以外にはお金をかけない主義らしい。●サンドバッグ 生肉を殴っているのはS.スタローンの「ロッキー(75')」から。●ここに来ておらんのは誰か 次々と容疑者の名前を挙げる市長。ブラックリストがあるのね。●箱を開けるな 玩具コレクターの世界では、ミントインボックス(未開封新品)がもっとも価値が高いのである。博士はマニアの弱点をよく知ってるな。
映像特典:パイロット版「Meat Fuzzy Lumkins」
●ロゴ タイトルやエンドロゴが丸まっちぃ字体。「女の子らしさ」を出そうとしていたようだ。●キャラクター ガールズの頭身が長いのにビックリ! 群衆などのキャラデザインもかなり違う。●ファジー 今よりスリム。性格も現在ほど人嫌いではないようだ。●緑の電話 まだ幼稚園にホットラインが引かれていない。●市長さん まるっきり別人。…と、いうより今の市長の前任者? ●サラミ大先生 ここで名前が出ているのに、本編に登場するのはかなり後の「めいわくな恩返し」の回。その他の悪役たちはそのまま忘れ去られたようだ。●怒るバブルス "KARATE CHOP"の文字が! ●オチ 市長さん肉になったまま。あっ、それで交代したのか。

Volume.5
 えええっ? 頭を打ったバブルスが、自分の事をモジョ・ジョジョだと思い込んじゃった! スーパーパワーを持った新たなる悪の侵略者モジョ・バブルス。でもブロッサムもバターカップも、仲間には本気で攻撃できないし、いったいどうすりゃいいの?、な展開の「モジョはバブルス!?」。
 そして今度は近眼になっちゃったバブルス。得意のビーム光線も外れてばかり。博士の勧めで大きなメガネをかける事になったんだけど、でもその姿を他の2人に「ダサーい」とからかわれて落ち込んでしまう「バブルスの新兵器!?」と、第5巻はキュートなバブルスの“魅力いっぱい編”だ。
 さらにはあの不良グループ、ギャングリン・ギャングがポーキーオークス幼稚園にやってくる「5人組の転校生」や、ファジー・ラムキンズが市長に立候補して見事当選、タウンズビルを合法的に乗っ取ってしまう「市長はファジー?」に、プリンセスVSブロッサムの迫力バトルが展開される「プリンセスが来た日」、なんと女装したモジョが、ガールズのパジャマパーティーに潜入する「女の子はつよいのよ!」と、悪人たちの攻撃も手を変え品を変え、ますます巧妙になってきたぞ。
 映像特典には地上波未放映のパイロット版「Clime101」を収録。普段は優等生のブロッサムの悪党ぶりに注目!
五人組の転校生 School House Rocked
●挌闘ゲーム ゲームシステムとドットの荒さからして、91〜92年頃の製品と推測される。●わかった者は? ここでグラバーだけ手を挙げている。後のいきなりマトモになるシーンと合わせて、やっぱり奥の深いキャラ。●フルネーム スネーク=サンフォード.D.イングルベリー、アートロ=アートロ.ド.ラグラー、ビリー=ウィリアム.W.ウィリアムズと判明。●見せっこタイム 「スヌーピーとチャーリーブラウン」の中で、よくサリーがこの課題に頭を悩ませていた。●父親は今、刑務所 アートロはラテン系という設定だが、ひょっとして親はイタリアンマフィアかも? ●ドッジボールならしてもいいわよ キーン先生のしたたかさがよく出ているシーン。
見えない友だち Imaginary fiend
●原題 "Imaginary friend"のもじり。「新スタートレック」に、ズバリこのサブタイトルの回がある。ジェームス・スチュアート主演の「ハーヴェイ(50')」など、このテーマを扱った作品は結構多い。●いいえ、全部ハズレ 子供らしい率直さで、ガールズはキーン先生に対して結構キツイ事を言っている。●構図 マイクのシーンではロングショットが多用され、周りに溶け込めない彼の孤独さがよく出ている。●服の山から顔を出すブロッサム これは「サウスパーク」のパロディ。●バブルスが空想したモンスター 「デクスターズ ラボ」のクーシー。「デクスター」の中でも、ディーディーが想像した空想上の生き物だった。
市長はファジー? Impeach Fuzz
●演説の練習 ここのセリフは歴代大統領演説のパロディだそうだ。日本人には難しいネタ。●選挙運動しないのに当選 「青島幸男元東京都知事」という例があるので、これは日本人にもわかりやすいネタ。●ガールズの演奏 ウォッシュタブ・バスに洗濯板に薬瓶。ジャグバンドですな。●レスリングでケリつけよう 思いっきり民主主義を無視してます。●ファジーの体重 「250ポンドちょうど」という事は約113キロ。やっぱり結構巨漢。●決闘再開 いきなり筋肉モリモリになる市長。これって「市長さんの一日」の時に落書きしてた願望そのまま。●ファジーへのカウント 市長の時よりやたら早い。でも実際のプロレスでもよくあること。
早くねなさい! Daylight Savings
●牧場に降り立つ宇宙人 宇宙人はなぜか牛に悪さをする(キャトルミューティレーション)のがお好き。●面談のお知らせ 保護者にとっての恐怖。この後「泣きながら出ていく夫婦」「なかなか話を切り出さないキーン先生」と、本作品お得意のイジワルな演出が続く。●悪い事企んでる顔だ この回、モジョは一言も喋ってない。意図的なセリフカットというのも、本作品によく見られる演出。●博士のマッチ 靴でこすって着火してるところからして硫黄マッチ。日本のは燐マッチなのでコレができない。●夏時間 日の出時刻に合わせて、時計を1時間早めるシステム。日本ではGHQの指示により、昭和23〜27年までこの制度を導入したが、不評だったらしい。
女の子はつよいのよ! Slumbering With The Enemy
●招待状を配るガールズ ここも意図的にセリフを排除した、テンポの良いシーン。●パジャマパーティ このようにパジャマを持って友達の家に泊り、ゲームやお喋りを楽しむ。最近は日本でも普及したかな? ●モジーシャ …なぜモジョはそんなに女の子の遊びに詳しいのだ? ●実験室 ちゃんと「悪い事したい」のウイルスのサンプルが残してある。●雑誌の男性 この中に作者のクレイグ・マクラッケンが混じってるので探してみよう。●水着モジョを引っ張るバブルス コパトーンの看板のパロディ。●何もできない普通の女の子だ! そのタダの女の子たちにやられてしまうモジョ。「パワーパフガールズ」という作品そのもののテーマに迫った深いラスト。
モジョはバブルス!? Los Dos Mojos
●バブルスよけて! 三人の上に物が落ちてくると、たいていバブルスに当たる。●モジョのタオル 本作品ではなぜか、モジョの入浴シーンが多い。視聴者サービスでは無いと思うが。タオルのMマークは、てっきり"MOJO"のイニシャルだと思っていたが"MINE"(オレの)だったのね。●モジョバブルス 滅多に見れない悪のガールズ。なんだかカッコイイ! ●バブルスは仲間だよ 原語では"Sister"。「姉妹」以外に「仲間」的なニュアンスでも使われるので訳が難しいところ。彼女たちはお互いをどう認識しているのだろうか? 姉妹だとしたらやっぱりブロッサムがお姉さん? ●うるさい、黙れ! バブルスのくどい喋り、モジョならずともはっ倒したくなりますな。
プリンセスが来た日 Syuck Up, Up and Away
●それバットマンに言えば? 名セリフ。銀行強盗のシーンでプリンセスが使うブーメランとワイヤーも、そういえばバットマンの装備品だっけ。●パパにおねだり コロコロ変わる表情と口調。岩坪理江の演技が絶品! ●プリンセスVSガールズ 激しい戦闘描写といい、セリフの応酬といい、まさに「ドラゴンボールZ」の世界。●怒るブロッサム ビームを紙一重の間合いでよけるカットが渋い。この後の攻撃でも、スーツの弱点と思われる、関節の接続部分を重点的に狙っているのがブロッサムらしい。●逮捕されるプリンセス 幼児が刑務所に入れられるのは変なのだが…。背が小さくて精神年齢が低いだけで、実はコイツ大人だったりしたらヤだなぁ
バブルスの新兵器 Bubblevision
●アリの化け物 巨大アリと言えば思い出されるのが「放射能X(54')」。ハサミ状の口でガールスを捕らえるシーンも一緒。ブロッサムとバターカップ2人では苦戦するところから見て、通常のモンスターより強敵。●メガネをかけたバブルス もともと目の大きいキャラなのに、更に目玉を強調するとは…。●バターカップを押し倒してるブロッサム この子たち何を!? …ああ、博士に今日の戦いの説明をしてるだけか。●博士のノートパソコン 一瞬だけ画面に登場する。iBookのタンジェリン。●レーザー手術 強度近視の治療に、レーザーで角膜を切開する手術は実際にある。●オチ 最初見た時は、TVの故障かと思わずビックリ。しっかり騙されました。
映像特典:パイロット版「Clime101」
●タイトル画面 三人の身長は約3フィート (90cm)だが、シリーズではもっと縮んでいるような…。●ロゴ 今回は70年代調。今のロゴに決まるまでいろいろと模索したようだ。●絵柄 ガールズの等身は本編にかなり近くなったが、背景の描き方がかなり違う。原色を多用しポップな雰囲気。逆に言えば、ちょっとうるさい感じもするので本編では色使いを抑えたのだろう。●アメーバー・ボーイズ 彼らの悪事が「公園の芝生に入る」とか、「信号機の無い所で道路を横断」程度と「悪い事したい!」と同じレベル。●燃え尽きる木槌 トゥーンらしい大げさな表現。本編ではあまりこういうギャグは使われていない。●登場しない博士 2作とも博士の出番無し。

Volume.6
 フツーの人が一番コワい? どこから見ても平凡な小市民、ユートニウム家の隣人スミ
スさんの心の奥には、悪への衝動が渦巻いていた…、という「スミスさんの反乱」。
 ガールズとモジョ、本当はどっちが困ったちゃん? 三人のベビーシッターとして乗り込んだモジョが、ガールズの悪ガキぶりに散々な目に合う「モジョはベビーシッター」。
 なーんにも事件が起きない日が、実は一番面白い? ガールズ自身が“パワパフごっこ”をして遊びまくる「雨の日の冒険」。…と、第6巻はヒネリの効いた異色エピソードの傑作揃いだ。
 もちろん、宇宙からの侵略者と果敢に戦うブロッサムの指揮官ぶりが凛々しい「ブロッコリーの逆襲」や、元気なバターカップのパワーの源が明かされる「勇気のおまじない」と、いつものパワーパフらしいお話もちゃーんとあるのでご安心を。そして「笑っちゃイヤ!」ではブロッサムのおニューな髪型に思いっきり笑って、感動作「ガールズの妹」ではバーニーの悲しい最後に思いっきり泣いてくれ!
 可愛らしさにセルフパロディに笑いに涙、そして感動と、素敵なモノ全部詰まったパワーパフガールズ、映像特典には、宿敵モジョ・ジョジョのテーマソング、DEVO「GO MONKY GO」のミュージックビデオが入って、最後までギッシリお得なDVD。
スミスさんの反乱 Super Villain
●スミスさん いかにも普通の人そうな名前。日本で言うと“山田さん”●スミスさんの日常 頭の位置がそのままで背景だけ変わって行く。「猫のフィリックス」などトゥーンでは時々見られる演出技法。●歯列矯正用のブリッジ アメリカでは子供のうちに歯並びを直す事が多い。●警官 またドーナツ食ってるよ。●モジョをやっつけた話をします 「パワーパフ」の登場人物で、場の雰囲気を読んで気をつかうのはブロッサムだけだなぁ。●特製の光線銃 ドライヤーを改造しただけに見えるが、これって本当に威力があるの? このエピソード、ハロルドが本当の悪人になったのか、単に精神的におかしくなってるだけなのか、判断つかないところが一番怖い。
勇気のおまじない Cover Up
●爪磨きするバブルス あの手にも一応爪があるのね。●ぬいぐるみ ガールズの部屋に何やらピ○チュウらしき物体が…。●私はファイター、強い 戦闘前のメンタルトレーニングとしては決して間違っていない。●太陽を背に急降下 空戦の基本である。●安心毛布 もちろん元ネタは「スヌーピーとチャーリーブラウン」のライナスの毛布からであろう。普段は賢いライナスが、毛布を無くすと半狂乱になるのはこの回のバターカップとそっくり。●小さいモンスター デザインは「ドクター・モリスの島 フィッシュマン('79)」からか。リング状の光線を吐くのは「ゴジラの息子('67)」のミニラっぽい。●ブロッサムの読書 中国語の勉強を続けているようだ。
ブロッコリーの逆襲 Beat Your Greens
●オープニング 50年代のB級SF映画調。BGMもちゃんとテルミン使ってる? ●ブロッコロイド 植物型の異星人というのも「宇宙船の襲来('58)」にあったネタ。●ブロッコリー 実は日本向けの輸出用ブロッコリーは、アメリカ国内で消費される物と違う品種なんだそうだ。●子供たち ノリ食いのエルマーが混じっている。あと「スターウォーズ」のルークのコスプレしたガキが…。●おいらもやるぜ! この子の着てるTシャツは、ハルク・ホーガンのプロレス団体「NWO」のもの。●ブロッサム司令官 こういう役目に付くと生き生きする子だね。●チーズをこぼして! マヨネーズの方が合うのでは? ●宇宙人の戦車 デザインがハロウインのカボチャ。
モジョのベビーシッター Child Fearing
●ベビーシッター アメリカでは子供だけで留守番させる事は法律で禁じられているので、ベビーシッターは必要不可欠。●市長のやってるゲーム NINTENDO64の「ゼルダの伝説」●タレをつけるな モジョは食に対してこだわりが強いようだ。●このおかずサイテー! 調理シーンを見る限り、料理の腕前は良さそうなのだが…。モジョが見かけ倒しなのか、ガールズの舌がお子ちゃまなのか? ●ブラーニーくん アメリカの有名な幼児番組「バーニー&フレンズ」のパロディ。●どっちが悪? 何も事件が起こらない日は、実はモジョよりガールズの方がタチが悪そう。「モジョのステキな一日!?」と同じ趣向だが、三人の悪ガキぶりもさらにパワーアップしている。
雨の日の冒険 The Powerpuff Girls Best Rainy Day Adventure Ever
●雨の一日 「モジョの〜」に引き続き、事件の起きない日ほど面白いという逆説的傑作。●まだナレーションの途中よ この後、テーマ曲を自ら口ずさむし、自分たちが出動する時にナレーションやBGMが入る事を認識しているわけですね。おお、メタフィクションだ! ●市長とベラムの会話 子供ってよく大人を観察してます。●やる気の無い博士 大人が遊びにつきあってくれるのは所詮この程度です。●ちゅーちゅーちゅー スローモーションを表現しているつもり…らしい。●モジョブロッサム モジョバブルスを上回る傑作キャラ。バケツと汚いタオルの組み合わせがポイント高い。しかも洗面台の下に2時間半…。●ゲーム機 またもNINTENDO64だ。
笑っちゃイヤ! The Mane Event
●眠るガールズ 三人のベッドでの位置は特に決まってないようだが、ブロッサムが真ん中に寝ている場合が多い。●目玉モンスター まるで日食のように太陽を覆い隠して登場するシーンが秀逸。デザインは「ゲゲゲの鬼太郎」のバックベアードに似ているが、「新世紀エヴァンゲリオン」の使徒のようでもある。●爆笑する博士 ブロッサムの前では彼女を傷つけないように、大人の態度を保っていた博士が、いきなり崩れる名シーン。こういうドライな演出も本作の魅力。●ブロッサムの髪型 お話の構成は「バブルスの新兵器」と似ているが、ブロッサムの方がより悲惨な目に合っている。作り手側からするとイジメやすいキャラなのかも?
ガールズの妹 Twisted Sister
●海面スレスレ飛行 衝撃波でちゃんと水柱が立っている。細かい描写。●強盗の足を引っかけるバブルス "Meat Fuzzy Lumpkins"以来の伝統ギャグ。●バニー 一つ間違えたらガールズもモンスターになってたかもしれない、と思わせるキャラクター。この姿で純真な心の持ち主、というのもフランケンシュタインの怪物のようで、切ない。●街は囚人たちの天下 よく見ると「ニセモノあらわる!」の回の悪人がいる。●悲劇 出だしの状況は「もうお手あげ!」に似ているが、まったく逆の悲劇的なラスト。ケミカルXから誕生した人工生命体の哀しみは、後の「パワーパフガールスたちがいっぱい!?」でも描かれており、本作品の裏テーマとも言える。
パワーが欲しい! Mojo Jonesin
●4人組 肥満児・東洋人・障害者・黒人という組み合わせなのに注目。この話は色々と隠し意味が多いので注意。ガールズに対する憧れは、彼らの劣等感と表裏一体のものである…、とか。●ケミカルXをもらうためなら、なんだってするよ この辺りはドラッグ問題の暗喩にもなっている。●ガールズを倒せ! スーパーパワーに魅入られた4人が、友達であるはずのガールズと戦えと言われて、微塵も躊躇していない。よく考えると怖い話。●みんなのせいじゃないよ、あなたたち暴力を振るうような子じゃない 表面的なハッピーエンドとは裏腹に、強大な力を手に入れた時の人間のダークサイドを最後まで暗示している。だってスーパーパワーは最高!
映像特典:DEVO「GO MONKY GO」

Volume.7
 バターカップがユートニウム博士に! ブロッサムがミス・ベラムに! そしてバブルスはなんと市長さんに! いやガールズだけでなく、タウンズビルの人全員が、みーんな中身と外見が入れ替わっちゃった。そして意外な姿に変身したモジョの悪巧みを、不慣れな身体で出動したガールズは、はたして阻止できるのか!? 博士のはた迷惑な実験のせいで大騒動が巻きおこる「あなたが私で、私はだあれ?」で始まる第7巻は、見ているあなたも大混乱??
 いやいや心配ご無用。総集編「おさらい ガールズの基礎知識」があるから、ガールズのキャラクターについてバッチリ復習できるし、第1話での敗因を分析したモジョが、再び同じ戦法でガールズに挑む「犬作戦!リベンジ」と、この巻から初めてパワーパフガールズを見る方にも親切な構成。
 そして今回の映像特典は文字通りの“秘蔵”フィルム、作者クレイグ・マクラッケンがまだアマチュア時代の1991年に製作した「Whoopass Stew」。この短編が元になってパワーパフガールズが誕生したのだ! 他にクレイグのインタビュー映像も収録。
 もうすっかりパワーパフガールズの魅力の虜になってる濃ゆ〜いマニアの方も、初めてこのDVDを手にしたビギナーの貴方も、双方満足できる嬉しい一枚!
あなたが私で、私はだあれ? Criss Cross Crisis
●博士の無精髭・市長の汚い足 本作はデフォルメされたプリティな絵柄のトゥーンだが、リアルでイヤな可愛くない部分の描写も決して忘れない。●自分の手を確認するバターカップ ここだけアップなので5本指。カートゥーンでは通常、指は4本に省略して描写する。さてガールズの場合は…。●博士の手じゃ受話器取れない! 本来はガールスの手がどういう構造で、いかに物を掴んでいるのか、大いに謎。●ベラムブロッサム出動 飛び立つ時に名刺らしき紙片がパラパラと落ちる。●だって無いんだもん あわれなバブルス。とりあえず誤魔化そうとするブロッサム。気を使って曖昧な表情をする博士。一人嬉しそうに髪をとかす市長と、それそれの対比が面白い名シーン。●銀行にいる人々 となりのトト○らしき動物がいる。●腕のミニ電話 今回のみ登場のレアアイテム。●ブロッサム=ダックスフンド ちゃんとお腹に乳首が6つ付いてるのがイヤなリアリティ。「立ったまま攻撃」でぐるぐる飛び回るシーンはかなりシュール。●信じられんな この時のガールズの変身が、コック・漁師・エスキモーとすべて魚の敵! この後「しょうがねぇな」という感じで自ら釣り針にかかる魚モジョもいい味出してます。●次々といろんな姿に変身 宇宙飛行士やメイドさんやゴルファーに混じって、ポパイやクレクレタコラ、それに作者のクレイグらしき人物などが登場している。スロー再生で確認してみよう。
ネコちゃんを探せ! Catastrophe
●緑色のモンスター この手のスライム状モンスターは「マックイーンの絶対の危機(58')」など、B級SF映画の定番キャラクター。頭部から常にドロドロと溶けてる辺りは「風の谷のナウシカ(84')」の巨神兵のようでもあり。●ガールズの銅像 珍しくブロッサムが怒り顔で、バターカップが優しい表情。●ファイヤーフォーメーション・ニャンコ攻撃 「科学忍者隊ガッチャマン」の“科学忍法・火の鳥”を思わせる戦法。●ネコを呼び集めるバブルス リス語・スペイン語に加え、ネコ語も話せる事が判明。●集まったネコたち さりげなくハンナ・バーベラ作品の「ドラ猫大将」やチュースケとチュータ」の“ドラ”らしきネコが混じっている。
スミス一家の逆襲 Just Desserts
●獄中のハロルド 前回と同じく、頭の位置はそのままで背景だけ変わっていく。ただしスミス氏はゴツい凶悪犯に挟まれて居心地悪そう。食事も取られてるし。●こんなキスしたの1980年以来 この夫婦間って、ほとんど日常に変化が無かったんだろうなぁと推測されるセリフ。●メアリアン・スミス 武器が「肉叩き」だ。●スミス家のミニバン まるで「デスレース2000年(76')」のようなトゲトゲ付きの馬鹿車! ●12時きっかりに買い物に〜 ユートニウム博士、目隠ししたまま運転してるよ…。●家を破壊する モジョやカレでさえやらなかった陰湿な攻撃である。隣人の心の中に潜む、妬みの方がずっとタチが悪いという、深〜〜いエピソード。
おさらい ガールズの基礎知識
●放映時間 前週の「ネコちゃんを探せ」の回よりテレビ東京での放映が、水曜夕方6時半から日曜朝7時に移行。このため、新たな視聴者に向けて番組紹介の意味合いが強い総集編。映像は「強敵あらわる!ボーイズ軍団」「巨大ロボ!ダイナモ登場」といった派手めの話から多くセレクトされているので、ブロッサム缶をまだ買っていない方は、ここでBOX1の見どころをチェックしよう。●初期のお話 このように繋げてみると「ニセモノあらわる!」などの初期エピソード(本国での放映は1話Bパート)では、キャラの主線が細かったのがわかる。●バブルス、もうちょっとTVから離れてね テレビ東京としては、やはりこの点は強調しなくてはなりますまい。
めいわくな恩返し Slave The Day
●市長は役立たず …確かに。●ビリーの恩返し バブルスとバターカップが素直に喜んでいるのに対して、ブロッサムだけが終始イヤそうな顔をしているのに注目。性格が出てます。●バットマンにも執事がいるし なんだかんだ言っても、スーパーヒーローの中ではバットマンが一番恵まれてますな。●この銀行強盗むっちゃ怖そう それ以前に時代錯誤な西部劇スタイルである事を指摘すべきだよなぁ。●サラミ大先生 パイロット版"Meat Fuzzy Lumpkins"にチラッと出ていた悪役。やっとこさ登場。●ガールズに迫る列車 このシーン、いきなり音楽がシリアル映画(40年代に多かった連続活劇)調に! 凝ってます。エースが思わず口ずさんじゃうのもグー。
うそつきはダメよ! A Very Special Blossom
●レバーとタマネギの炒め物 博士の好物。理系なので味より栄養価優先? ●クラブ買えるほどお金稼ぐのは無理よ リストのトップの「レモネード売り」は、アメリカの子供にとって最も身近な小遣い稼ぎの手段。●レディース・アンド・ジェントルマン! このカット、バターカップとバブルスの2人がかなり珍しい表情を見せる。●ヒットルデー署長 「スミスさんの反乱!」の回に引き続いての登場。●ボトルシップ モジョの趣味って渋いね。あとモジョの父親が船長だった事が判明。●ブロッサムの犯罪者ナンバー 5643321。ちなみに"Crime101"の時は34896だった。●200時間の奉仕活動 アメリカでは犯罪者にこういう罰が課せられる事が多い。
犬作戦!リベンジ Monkey See, Doggie Two
●冒頭シーン 「とべ!最強の幼稚園児」とまったく同じ出だしだが、アヌビス像に細かいヒビが入っているところだけが違う。よく見てる視聴者に向けてのサイン。ちなみに原題も"Monkey See, Doggie Do"に対して、"Monkey See, Doggie Two"とかなり紛らわしい。CARTOON NETWORKでは全話繰り返し放映する形式なので、おそらくそれも考慮に入れた上でのかなりヒネったギャグ。●これ誰が撮影したの? ああ、ブロッサムに先にツッコまれてしまった。もうココに書く事が無い…。●お願いですから 「史上最強の作戦!リベンジ」とか「プリンセスの野望!リベンジ」はやめてね、モジョ。あ、でもボーイズ軍団リベンジはちょっと見たいかも…。
映像特典:「Whoopass Stew」+クレッグインタビュー

Volume.8
 驚異の新ヒーロー、タウンズビルにあらわる!! 正義の鐘を鳴らす者リバティベル、かわいいかわいいハーモニーバニー、そして闇からの使者メインジ。「私たちには便利なアイテムも、カッコいい衣装もなんにもない!」とシンプルすぎるスーパーヒーローである事に不満爆発したガールズが、新たな姿にイメージチェンジするが、逆に敵であるモンスターを失望させる結果になってしまうという、ヒーローもの自体をパロディにした快作「カッコよくなりたい!」を収録した第8巻は、今までの戦いを総集編「おさらい モジョ反省する!?」で研究したモジョ・ジョジョが「キスから逃げろ!?」では、ガールズの意外な弱点を突いて逆襲に転じるし、「パワーランチ」ではなんとあのギャングリン・ギャングが、思わぬ化学反応で三人を上回るスーパーパワーを身に付けてしまう。ガールズ大ピンチ!
 さらに名脇役の市長とミス・ベラムが大活躍(?)する「私のひみつ」に「ヒーローはわしじゃ」も入って、今回はひと味違った大人向けの内容。…とは言うものの、ラスト2本の「ケンカはやめて…」と「大きなかくしごと」は、バブルス大活躍の楽しいお話なので、よい子の皆さんも安心して見て下さいね。
 映像特典にはBisの「FIGHT THE POWER」のミュージックビデオを収録。この巻も最後の最後まで内容充実。
おさらい モジョ反省する!?
●モジョ喋り くどくて説明が多くて同じ言葉を反復する、モジョ・ジョジョ独特の喋り方。日本語版の初期エピソードでは、割と普通の悪役っぽい口調だったが、「モジョのステキな一日!?」あたりからかなりモジョ喋りになってきた。この喋り方は「モジョはバブルス!?」の回でバブルスに、「雨の日の冒険」ではブロッサムに真似されている。●モジーシャ モジョ役の石井康嗣は本来「勇者王ガオガイガー」の大河幸太郎長官など、渋くてカッコイイ声の人。同時に青木光恵原作「小梅ちゃんが行く!」ではオカマ社長の声をアテるなど、その芸域は広いが「サルで悪役でその上オカマ」なんていう特殊な役は、さすがにこのモジーシャくらいであろう。
私のひみつ Something's A MS.
●じゃあ一緒に削りましょう 市長の手を取り、二人で鉛筆削り。このシーンが何を暗喩しているのかを考えるとかなりエロチック。最後に小さくなった鉛筆を眺める市長さんも意味深。●頭を使わずに成功する方法 それは有能な秘書を雇うこと。「努力しないで出世する方法(67')」より確実である。●ミス・ベラムの家 エッチな番地だ…。それはともかくプール付きの邸宅に一人暮らしとは、ベラムはかなりの高給取りなんですな。●縛られているセドゥーサ(ベラム) 結構可愛らしい表情を見せる。ベラムの素顔もこんな感じなのかも。●肩パットなんかで勝てるわけない! 胸パットを投げたようにも見えます。セドゥーサよりベラムの方が巨乳と見た。
キスからにげろ! Cootie Gras
●ハリー・ピット 「ものすごく汚いガキ」というキャラクターは「スヌーピーとチャーリーブラウン」の“ピッグ・ペン”が元祖。ところでこの回、ハリーは一言もセリフを喋っていない。●モフィアの集会 なんだか日本人っぽい奴が混じってるなぁ。カタナも持ってるし。●落とし穴の中のガールズ 「飛んで逃げればいいのに」と思うが、その事を忘れるぐらいに彼女たちはパニくっているのであろう。●愛の予感が。危険な香りいっぱい 子供番組とは思えない、過激な締めくくりのナレーション。だってそれじゃホモの上に獣○だよ〜。お話の構造としては「噂を鵜呑みにして、むやみに友達を嫌っちゃいけないよ」という教訓的エピソードのハズだが。
ヒーローはわしじゃ! Hot Air Buffoon
●はだしの強盗 「原始家族フリントストーン」のフレッドとバーニーが特別出演。●掃除人の後ろ姿 おなじみの構図を逆手にとった、うまい演出。●あんたにゃ投票しなかったよ ファジーが当選したりするワケだ。市長支持率低そう。●強力パンチ繰り出し装置 テストでいきなり罪も無い小鳥をブッ飛ばすあたりから、既にブラックな展開に。●パペットパル ガールズたちも大好きなあのTV番組がついにゲーム化! されたようだが、どうすれば高得点が出るのか、まったく不明。●ミサイルにまたがったブロッサム このシーンは「博士の異常な愛情(63')」のパロディ。●ガールズに助けられた犬 ラストシーンで姿が見えない。やっぱりこの回ブラック。
カッコよくなりたい! Super Zeroes
●コミックス 冒頭で三人が読んでる漫画はもう凝りまくり。「フリーダムギャル」はワンダーウーマン調の古典的アメコミで、色づかいも活版三色印刷風。これに対して「スポアー」はもちろん「スポーン」のモジリなので、Mac彩色の現代アメコミ。そして「バニーバニー」は日本からの輸入漫画だから、モノクロでスクリーントーンが貼ってあるのだ。フキダシの中の文字もテレ東放映時に加工したワケではなく、最初っから日本語! ●日本語で言って! 原語では逆に“チッサイばにーばにーノカワイイ冒険物語”とたどたどしく読んでるので、音声切り替えで確認してみよう。このタイトルは水野英子の少女漫画「ハニーハニーのステキな冒険」から。
パワーランチ Power lunch
●コンビニで無銭飲食 エースはフローズンドリンク、スネークはグミキャンディー、アートロはコーヒー(カフェイン)と、後で手に入れる能力に対応した食品を食べている。グラバーの「プリングルスで超音波」はフタを開ける時の「ポン!」という音からの連想か? ●ギャングリン・ギャングのスーパーパワー エースの氷パワーは「バットマン」のミスター・フリーズ、スネークの伸びる身体は「宇宙忍者ゴームズ」、アートロの素早い動きは「ザ・フラッシュ」といずれもアメコミからの引用。ビリーの「岩」というのも「ゴームズ」のガンロックが元ネタっぽい。●ボーリング攻撃 バブルスが一番大変そうな技だが「大好き!」だそうだ。楽しいのか?
ケンカはやめて… Three Girls & A Monster
●バナナで強盗 「モンティ・パイソン/アンドナウ(71')」でも使われていた定番ギャグ。●海中から出現する怪獣 このシーンはエメリッヒ版の「GODZILLA(98')」を意識しているようだ。先に足音だけが響くのはオリジナル版の「ゴジラ(54')」から。●グラスハープ なかなか渋い趣味。グラスの中の水が震動で揺れるのは「ジュラシック・パーク(93')」のティラノサウルス出現シーンのパロディ。●バブルスの成長 「たいせつなもの」の頃はブロッサムとバターカップの仲違いにメソメソしていたバブルスだが、今回はどちらの戦法にも一応お付き合いしたり、ラチがあかないと見るや自ら事件を解決したりと、ずいぶん大人な態度になっている。偉い!
大きなかくしごと Helter Shelter
●バブルスを呼ぶ博士 博士からカメラがどんどんズームバックして宇宙空間まで行っちゃうのは、トゥーン特有の大仰な表現かと思いきや、本当にガールズは宇宙にいるのね。●クローゼットから出てくる動物たち 先頭にカタツムリが走っている。細かいギャグ。●クジラを隠そうとするぬいぐるみの山 ポケモンのプ○ンやピッ○、ロボコンや快獣ブースカの姿が見える。●かかとが光るシューズの仕組み 実際にはボタン電池とLEDの組み合わせという、シンプルな仕掛けです。●博士のバスローブ 浴衣にまでペンを差す胸ポケットが付いてる。さすが科学者。●動物園から逃げ出す動物たち なぜか大ダコが混じっている。これまた細かなギャグ。
映像特典:Bis「FIGHT THE POWER」

Volume.9
 幼稚園児の正義の味方がいるなら、老人の悪者がいたっておかしくないじゃないか!?
 …というわけで、悪の三人組ミニスターオブペインは養老院を抜けだし、半世紀ぶりに復活する。だがよい子のブロッサムは「お年寄りを殴ったりできないわ」と、ペインと戦う事ができない。しかたなくこちらも引退した往年のスーパーヒーロー、キャプテンライチェス&レフティに助けを求めるという、ガールズがほとんど活躍しないエピソード「まだまだイケてる!?」で始まる第9巻は、トゥーン世界のタウンズビルでは毎回町を救って感謝される彼女たちも、リアルな大都市ではまるっきり役立ずになってしまうメタフィクションな傑作「都会へお引っ越し」や、ユートニウム博士が強化服を開発し、自らモジョと激しいバトルを繰り広げる「スーパー博士、空を飛ぶ!!」に加え、可愛いハムスターがモンスターに変身、イジメっ子に復讐する「トゥイッギーを守れ」と、まさに異色作揃い。
 そしてガールズだって人の子。お菓子やプレゼントの魅力に負けて「キャンディー大好き!」「もっとオモチャを」ではついつい悪い事を…。シリーズ中盤に入り、単なるヒーローものの枠を越えた「パワーパフガールズ」の面白さをぜひご堪能下さい。
 今回の映像特典はカートゥーンネットワークのスポット集。このトゥーン専門チャンネルの洒落っ気とセンスの良さにご注目あれ。
まだまだイケてる!? Fallen Arches
●ライチェス&レフティ キャプテン・アメリカ+バットマンのロビンといった趣き。●ニュース映画 太平洋上の"EVIL ISLE"って、やっぱし我が国だよね…。ちなみに当時は、戦意高揚の目的でスーパーマンやワンダーウーマンが、ナチスドイツや日本軍のスパイと戦う話が数多く製作されていた。●二人の関係 ライチェスの部屋が荒れはてているのに、レフティの部屋は小綺麗だったり、今でもキャプテンに想いを寄せるレフティに比べ、向こうは彼の事をうざったく感じているとか、長年の間に色々あった事を想像させる。●コスチュームの装着 乳毛の生えた、たるんだ胸肉を無理に押し込むあたり、本作品ならではの「イヤなリアリズム」炸裂のシーン。
おさらい わるもの大集合
●総集編 おさらいシリーズの構成・演出は、手塚治虫の遺作アニメ「森の伝説」の監督で知られる宇井孝司。代表作は「たればんだ」「スペース・トラベラーズ THE ANIMATION」。●悪役 「いかに魅力的な敵役を登場させるか?」はヒーロー物を成功させるための重要な要素。マッド・サイエンティストのモジョ、純粋な悪の化身であるカレ、わがままお嬢様のプリンセスと、本作の悪者たちはそれぞれ個性豊かで面白い。ところで「仮面ライダー」に代表される日本のヒーローがショッカーのような組織的な悪と戦うのに対して、「バットマン」などアメリカのヒーロー物では、敵側も個人プレイで悪事を働く場合が多い。本作品でもそのセオリーは遵守されている。
キャンディー大好き! Candy Is Dandy
●大食いモンスターの舌 味蕾まで細かく描き込まれてます。●最高…すごくおいしかった このシーンのバブルスの声と表情、幼児とは思えないくらいに色っぽい。●じゃまた街を救ったら貰える? それじゃまるでサーカスの熊だ…。●モジョとの裏取引 「パワーがほしい!」のオーバーコート氏再登場。今回もドラッグ問題を意識したストーリー展開に。ちなみにバルビツレート系睡眠薬の俗称がずばり“キャンディー”●ごめんねタウンズビル、ごめんね市長さん この状況でもモジョには謝らない…のね。●これ、ハッピーエンド? こういう教訓的なお話でも、オチはあまり説教臭くならないのが本作のいいところ。殴られ損のモジョが哀れ。
都会へお引っ越し Town And Out
●シティズビル モデルはニューヨーク+サンフランシスコ。多発する犯罪、荒んだ住人、落書きだらけのダウンタウン、小銭をたかるホームレスと、大都会のイヤな部分を「これでもか!」というくらいに念入りに描いている。●バスの運転手・先生・市長 この街の大人たちはトゥーン調デフォルメの4本指ではなく、リアルな5本指のキャラクター。タウンズビルと違って、市長さんがすぐには会ってくれないのも現実的。つまりこのお話は、カートゥーンの世界では無敵でカッコいいガールズだけど、リアルワールドに放り込まれたらいかに役立たずで迷惑な存在になるか、という冷徹な事実を視聴者に突きつけた「パワーパフ」暗黒面の傑作。
スーパー博士、空を飛ぶ!! Power Prof
●子供の描写 本作品の優れた部分の一つに「子供のしぐさをよく観察していて、それを三人の描写にちゃんと取り入れている」という点があるのだが、この回の実験室のシーンで、博士に構ってほしくて机の下から顔を出したり、少しづつぬいぐるみを増やしたり、イタズラしたりといったシーンがとても愛らしい。映画館で喜びのあまり、博士の周りをぐるぐる走り回るあたりも三人の子供らしさがよく出ている。なお、冒頭の10分間はまったくセリフが無く、作画と演出の力だけで博士とガールズの心情を表現しきっている。このフィルムとしての完成度の高さを、充分堪能してほしい。●パペットパル ついに劇場版に! でもやってる事はTVとあまり変わらず。観客に向けて棒を突き出すのは3D映画のお約束。●ドーナツ屋から出てくる警官 ここまでくるとコレももう「お約束」●市長 博士に助けられた時、なぜか顔を赤らめる。意味不明…というか深く考えたくない。●博士の変なセリフ 死語とスラングの連続。日本語版はかなり苦労して表現している。●可愛いシュガーマフィン 英語表現では「マイスィートハニー」など、愛する人を甘くてフワフワした物に例える事が多い。●ガールズ七変化 この話は三者三様の水着姿に加え、記念写真のトナカイ帽、ヘルメットと膝当て着用の防御力強化バージョン、きわめつけは紙袋を被ったバブルスと、普段と違うスタイルのガールズをいろいろ見られてお得な回。
もっとオモチャを Ploys R'us
●オモチャの山 ウルトラマン、ロボコン、デクスターなどが混じっている。あと「早くねなさい!」の回のエイリアン人形や「雨の日の冒険」でブロッサムが使ってた銃もアリ。さらには「世界で一番有名な、版権にうるさいネズミ」に似た奴までいるが、それは見なかった事にしよう。●オモチャ屋で盗みを働く博士 ここではデクスターとディーディーにスーパーモンキー(これも「デクスターズラボ」のキャラ)やトトロのぬいぐるみ、フリントストーンのピンボールなどが確認できる。お話のテーマ的には、そんな些末な所ばかり気にしていてはいけないのだが。●政治のプロだから人を騙すのもプロ ああ、この一言でせっかくの教訓的な内容が台無しに…。
トゥイッギーを守れ! Gettin' Twiggy With It
●ミッチ・ミッチェルソンの家 街外れのトレーラーハウス。両親の姿が見えず、ボケたばあちゃんがTVの前に座りっぱなしなのも気になる。プアホワイト(白人貧困層)なのか? …とするとミッチが歪んだ性格に育ったのも本人のせいだけではないのかも。●動物虐待シーン とは言うものの、幼稚園児なのにエース以上の悪人。ガールズの前では言い訳するあたりも似てます。●ドラム缶 しっかりと放射能マークが。ハムスターをトイレに流すミッチもヒドいが、こんなもの下水に流した奴も同罪。●先生間違ってたわ 可愛い外見とは裏腹に、本作はシビアな描写も多い。悪人に対する報いは強烈だし、トゥイッギーは元に戻れないままだ。
映像特典:カートゥーンネットワーク スポット集

Volume.10
 可愛いガールズの産みの親にして天才科学者。たまに困った発明をして騒動を巻き起こす張本人でもあるけれど、良き理解者であり素敵な“パパ”であるユートニウム博士の魅力をまとめた総集編「おさらい ステキな博士」で始まる第10巻は、プリンセスが財力にモノを言わせて法律を改正。正義と悪が逆転す
る「ワルイことはイイこと!?」に、未知の生命体がタウンズビルの人々を操る、SF侵略物の傑作「のうみそチューチュー」や、ドジな泥棒が無くした宝石を取り戻すために悪戦苦闘を繰り広げる、いかにもトゥーンらしいギャグに満ちた「シリアル大作戦」といった、いつものパワーパフらしいエピソードに加え、アメリカ版第1話の「ゴキブリがいっぱい」や、女性差別問題に鋭く切り込んだ異色作「ガールズの主張!?」も入って、今回もビギナー向けからマニア好みのお話までぎっしり詰め込んだお買い得な一枚。
 …そしてもし、この世からガールズがいなくなってしまったら? 世界は悪に支配され、暗黒の未来が訪れる! ガールズ最強の敵“カレ”が、真の恐ろしさを見せる「タイムスリップ」と、今回も最後の最後まで見逃せないぞ。
 映像特典には、前巻でも好評だったカートゥーンネットワークの特選スポット集をまたまた収録。
おさらい ステキな博士
●ステキな博士 博士役の安崎求は「ミス・サイゴン」や「レ・ミゼラブル」など、ミュージカルの舞台をメインに活躍している人。声優としては「ポカホンタスU」「天使のわんちゃん」など、米アニメの吹き替えが多い。●ガールズと博士 年少のヒーローを、大人の知恵でサポートする科学者という役の配置は、「鉄腕アトム」のアトム&お茶の水博士や「鉄人28号」の金田正太郎&敷島博士など、日本作品に多いパターン。なおアトムは"Astro Boy"、28号は"Gigantor"のタイトルでアメリカでも放映されたのでヒントになってるのかも? ただスーパーマンやバットマン等の米ヒーローは大人なので、こういう保護者役を必要としない、という事情もあるが。
ワルイことはイイこと!? Bought&Scold
●ワルイ奴がわんさか 一瞬登場する「変なトリ」は「デクスターズ ラボ」のクワッカー。デクスターのライバル・マンダークの飼っているアヒルで、月の光を浴びると変身する。●略奪シーン いかにも悪者な連中以外にも、水兵とか普通の人まで悪事を働いているのが、77年のニューヨーク大停電の時のようでリアル。●悪知恵を思いつくブロッサム 邪悪な笑顔です。良い子のブロッサムの二重性というか、腹黒さが出てる名シーン。●自分で水をくみに行く 大きな屋敷の割に使用人の姿が見えない。わがままなプリンセスのせいで皆辞めてしまうのか? ●今度からガールズに水くみさせよう 元の市長も「ピクルスの蓋が開かない」位でガールズ呼びつけてるねぇ。
オカネになる歯!? Money Decay
●これ25セントじゃない? 博士が渡しているのは、西部開拓史に登場するネイティブアメリカンの少女・サカガウェアが彫られた記念1ドル金貨。●歯の妖精 「抜けた歯を枕の下に入れておくと、寝ている間に妖精がやってきて硬貨と交換してくれる」は英語圏ではポピュラーな伝承。トゥーンのネタにもよく使われているが、この話ほどの過激な展開はパワーパフならでは。●博士のお説教 バターカップの考えつく悪事は、彼女らしく非常にシンプル。横でシニカルな表情を浮かべるブロッサムとの対比に注目。●歯医者の名前 "Dr.Payne"のプレートが。ペニーには1セント硬貨の意味もあるので、バターカップにとってはかなり皮肉なオチなワケです。
ゴキブリがいっぱい Insect Inside
●ガールズ初登場 アメリカでの制作順では、これが第1話Aパート。いきなり凄いエピソードで始まったわけだが、侵略モノとしては基本的なお話でもある。冒頭のガールズの追いかけっこや、博士のゴキブリの解説シーンなどで、各キャラの性格が説明されているのも1話ならでは。●ホットドッグからゴキが… 陽気なミュージカル調の会話から一転、ゴキブリの大群が這い出してくるカットは、虫嫌いの人にとってはかなりキツイかも。実写のホラー映画では「クリープショー(82')」に似たシーンがあるので、勇気のある人は肝試しに観てみよう。●実はロボット 「メン・イン・ブラック(97')」のアルキリアンと同ネタ。顔の部分が操縦席なのも一緒。
のうみそチューチュー Headsucker's Moxy
●冒頭シーンの演出 ネコで安心させておいて、次の瞬間に怪物に襲われるところ、ちゃんとホラー映画のセオリー通りでグー。●古典SFの味わい 今回は「脳から考えを吸い取る怪物」が相手という、オーソドックスなSF風味のエピソード。怪物が残した歯形が手掛かりになるのも昔のSF映画的で嬉しい。ただし、その怪物の外見が「小柄なオヤジ」だったり、時代錯誤な海賊の宝まで盗まれたりするのはいかにもパワーパフらしいヒネリではあるが。●怪盗ヒル男 …と、呼ばれているところからしても、おそらくロバート.A.ハインラインの小説「人形つかい」あたりが発想の原点。オチも秀逸だし、この話はオールドSFファンの大人向けかも?
ガールズの主張! Equal Fights
●ファム・ファタル 言うまでもなく♀マークがデザインのモチーフになっている。足元がパンタロンだし、活躍時のBGMも70年代テイスト。●ワンダーウーマンだけ キューティーハニーセーラームーンなど、女性ヒーローがやたら多い日本って、先進国? ●スーザン・アンソニーのコイン 79年に発行。なお前述のサカガウェア金貨もそうだが、1ドルコインというのは流通量が多くないそうなので、ファタルのようにこればかり盗むのは結構大変。●私は髪型盗まれた お話の核心に迫るシリアスなシーンでも、ギャグを忘れないのが本作品のいい所。「本当の男女平等って何?」というのテーマは後の「スーパーマン競争」の回にも引き継がれている。
シリアル大作戦 Jewl Of The Aisie
●古き良きトゥーン ファタルの話が社会問題をテーマにした現代的なお話だったのに比べ、こちらは冒頭のドタバタや、宝石奪還の為の悪戦苦闘など、古き良きトゥーンのパターン。本シリーズの幅の広さを味わってほしい。●メカアニマルズ 「ビーストウォーズ」のパロディ。ダチョウがロボットに変形するのは「わざと格好悪い動物で」というギャグだが、その後本家の「ビーストウォーズ・ネオ」でもウサギやペンギンまで変形させたので、どっちもどっちである。●シリアルのCM ここだけ絵柄まで変えて本物のCMっぽく作ってある。●ラッキーラビットキャプテンキング 代表的なシリアルのキャラを混ぜこぜにした名前。だからやたら長〜い。
タイムスリップ Speed Demon
●暗黒の未来 赤くよどんだ空、荒れ果てた街、幽鬼のような人々、かなり精神的におかしくなってる博士やキーン先生。本作品はブラックな描写をする時は本当に徹底的にやりますな。●市長は私のものよ! 優秀なミス・ベラムが、何故あの市長にそこまで執着しているのか? この未来でのセリフ、意味深です。●巨大化するカレ バブルス缶では「おさらい」を除いてあまり登場シーンの無かったカレだが、このお話では久々に「本シリーズで一番怖い悪役」ぶりを存分に発揮。●私とっくに勝ってる 結局この未来世界においては、ガールズはカレを倒せていない。●週末はバハマで バハマはカリブ海にある高級リゾート地。博士としてはかなりの奮発?
映像特典:カートゥーンネットワーク スポット集

Volume.11
 タウンズビルの平和を守る、みんなのアイドル・パワーパフガールズ! でも正義の味方が存在する世界では、おまわりさんの仕事は無くなってしまう? ガールズを逆恨みした悪徳警官ブリッコムスキーの犯罪を描く「サボっちゃダメよ」と、第11巻はいきなり社会派ドラマでスタートだ。
 続いてモジョ・カレ・プリンセス・ファジーのパワーパフ4大悪役がついに手を組んだ。悪の最強カルテット・ビートォールウズの前に、ついにガールス敗北す! ビートルズ・ストーリーのパロディにもなってて、大人のファンは思わずニヤリの快作「ビートォールズに会いたい?」は見逃せないぞ。
 ガールズついにハリウッド進出か? の「パワーパフは映画スター」では、詐欺師の監督相手にユートニウム博士がなんと女装姿で大活躍。時間旅行ストーリー「バック・トゥ・1959」では少年時代の可愛〜い、だけど意外と悪ガキだった博士も見れちゃいます。今回は博士ファン必見!
 締めくくりの「スーパーマン競争」では、世界中のどんな超人たちよりも、ぼくらのガールズが一番! という事が証明されるぞ。21世紀のスーパーヒーローは、力と技だけじゃなく“天使の心”を持ってなくっちゃね!
 映像特典にはP.P.Sの「WORK SOUL OUT!!」の新作ビデオクリップまで付いて、まさにどこから見ても超充実な内容です。
サボっちゃダメよ Cop Out
●ブリッコムスキー巡査 首の後ろにまで脂肪が付いてるあたり、彼の長年に渡る怠惰な生活ぶりがさがよく出ていてリアル。●ドーナツ買って食べるだけ ブロッサム缶収録の「もうお手上げ!」でもそうだったが、本作品では「ダメ警官=ドーナツ好き」という事になってるらしい。ところで最後に入った「中華風ドーナツ店」って一体どんな味? ●ガールスが警官の仕事を奪う 明らかにブリッコムスキーの逆恨みだが、かつて深刻な失業者問題を抱えていたアメリカ人にとっては、「新しい勢力が登場したせいで自分の職が奪われる」というのはかなり痛切な事態。●歌で治ったピエロさん 「色がなくなっちゃった!」の回を参照の事。
ビートオールズに会いたい Meet The Beat Alls
●ザ・ビートオールズ 今回は最初から最後まで「ザ・ビートルズ」ストーリーのパロディ。BGMもビートルズ風だったり、セリフも歌詞からの引用だったり、細かいネタがたくさん。絵的な部分では、ビートオールズ結成のシーンがアルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ」のジャケットから。4人が横断歩道を渡るシーンは「アビイ・ロード」●ペパー巡査部長 これもビートルズのアニメ映画「イエロー・サブマリン(68')」から。アニメ版の4人も、モジョとモーコが叫ぶシーンで登場する。その前のオールズに殴られてるバンドも、ちゃんと65年のTVアニメ版ビートルズ。●モーコ・ジョーノ もちろんオノ・ヨーコのもじりだが、やっぱし日本人は猿扱いなの?
パワーパフは映画スター!? Film Flam
●1本立て構成 これまではボーイズ軍団やダイナモの回などのスペシャルエピソードを除いて、1話2パート構成だったが、この回以降はすべて30分1話の豪華版に。●バーニー・バーンスティーン 喋り方とか、やたら携帯で連絡を取るとか、他人を自分のペースに巻き込むやり口とか、それに何と言っても「下腹が出てる」ところが、いかにも映画業界ゴロといった風情。撮影に乗じて銀行強盗するというのはともかく、映画を作るという名目で出資者からお金を集め、そのままドロンという詐欺は本当にあります。●大好きなレオさま〜 バブルスはレオナルド・デカプリオのファンだったようだ。●セリフで争い 「そのリーダーっぽいセリフは私が言うべき」と主張するブロッサムに「私のセリフが少ない」とゴネるバブルス。これって同格スターの共演映画の撮影現場では「よくある話」。その前にブロッサムとバターカップは映画のクレジットの順番でモメてますが、これまたよくある事。●博士の女装姿 ダスティン・ホフマン主演「トッツィー(82')」のパロディ。パーマネントヘアーに大きなサングラスという外見だけでなく、女性役しか残ってないので、仕方無く女装してオーディションを受けるという理由も一緒。さらに市長に「なんと素敵な女性じゃ」と惚れられてしまうくだりも元ネタにアリ。露出度の高い赤いドレスを着ているのは「ウーマン・イン・レッド(84')」からの引用か?
バック・トゥ・1959 Get Back Jojo
●メアリーの母親 娘と違って痩せてます。●いたら手を挙げてくれる? このシーンで、子供に混じって日系人らしき保護者だけ手を挙げてる。英語がわからず、周りの真似してるだけという細かいギャグか? ●えーと“父”です 博士がガールズの「製作者」ではなく、「父」と名乗った時に三人がとてもニッコリするのに注目。●歴史を変えればガールズは誕生しない 今回のモジョの悪巧みは「ターミネーター(84')」「スタートレック ファースト・コンタクト(96')」と同じパターンの、SFでは定番ネタ。この後のネズミを使った五次元の説明も、昔のSF映画っぽいシーン。●五次元空間 ここでヘタにCGを使ったりせず、鉛筆描きの素朴なアニメーションで描写するあたりが本作品のセンスの良いところ。●1959年 ユートニウム博士、キーン先生、ミス・ベラムの三人が同級生で、1959年に小学生だったからには、現在では三人とも年齢は50歳前後という事になる。見た目より老けてたのね。●火山の説明フィルム ナレーションもホスト役も全体の構成も、さらにはフィルム傷やテロップの入れ方に至るまで、本当に昔の教育映画調に作ってある。●博士がガールズを作るキッカケ 「ふたりの秘密」の回でもそうだったが、本当にモジョはガールズとは「因縁」で結ばれた敵。●危険なアニメ業界で働くケビンさん 楽屋オチです。…が、本当に制作が遅れて放映に間に合わない! とかスリリングなお仕事であるのは確か。
スーパーマン競争 Members Only
●他の街と同じようにヒーローが住んでいる アメリカのヒーロー物では、スーパーマンがメトロポリス、バットマンはゴッサムシティというように、それぞれ担当する街が決まっていたりする。面積の広いお国柄ゆえか。●メイジャー・グローリー 「デクスターズ ラボ」世界のスーパーヒーロー。ただし「デクスター」内ではグローリー、ヴァル・ヘイレン、クランクの三人のヒーローの間抜けな共同生活ぶりがギャグとして描かれている。またこの三人組の中で、クランクだけがサミットに参加しない理由も、バブルスのセリフでさりげなく説明されている。●AWSM これまたモデルはスーパーマン・バットマン・ワンダーウーマンなどの正義の味方が集まって作った組織「ジャスティス・リーグ」から。●往年のヒーロー そんなわけでAWSMにもハンナ・バーベラの往年のヒーロー「電子鳥人Uバード」と「宇宙怪人ゴースト」がちゃんと加わってるね。●日本の超人・Eメール 効果音がモデムの接続音。バブルスに負けた後に仲間が浴びせる罵声もえらくマニアック。●パパだよ ガールズが博士の事をはっきり「パパ」と呼ぶのはこれが初めて。シリーズ後半に入り、単に「科学者とその製作物」から「本当の親子」へと関係が深まった事が感じられる良いセリフ。●マスクマックス スーパーカーから変形する宇宙からの侵略者、という点からみておそらく「トランスフォーマー」が原イメージ。
映像特典:P.P.S「WORK SOUL OUT!!」

Volume.12
 お砂糖・スパイス・すてきなものいっぱい、それに“ケミカルX”を加えれば、無敵のスーパーヒーロー『パワーパフ ガールズ』ができるハズだった。でもお金目当てのディック博士が作った量産型ガールズには、一番大切な材料が欠けていた。…それは“愛”。
 最大の問題作にして感動作の「パワーパフガールスたちがいっぱい!?」で始まる第12巻は、つづく「ともだちになりたい!」では、隣家の少女ロビンとの友情と、正義の味方としての使命の間で揺れるガールズという“小さな女の子がヒーローである事の難しさ”というテーマにまで踏み込み、まさにシリーズとしては最高に脂が乗りきった状態に。The Apples in Stereo の挿入歌"SIGNAL IN THE SKY(LET'S GO)"もバッチリ決まっております。
 そして「パワーパフ・リスちゃん!」は動物好きのバブルスならではの好エピソード。リスちゃんのキュートさにもご注目あれ。ラストの「バブルスとまほうのチョーク!」は、バブルスのお絵描き好きを利用した、カレの新作戦のせいで幼稚園は大騒ぎ! というパワーパフならではの楽しいお話。今回はすべて30分エピソード4本立てという、実に豪華な一枚となりました。
 映像特典にはUSカートゥーンネットワーク制作・放送の「パワーパフガールズムービー」の予告編を加え、濃縮!充実!そして感動!のパワーパフ ガールズの魅力をたっぷりとご堪能下さい。
パワーパフガールズたちがいっぱい!? Knock It Off
●大学時代の回想 「バック・トゥ・1959」の悪ガキぶりに比べると、博士の性格がいつの間にか今と同じ“真面目な善人”になっている。●大きなワニのモンスター ハンナ・バーベラの「ワニのワリー」。実際にワリーが巨大化して怪獣に間違われる話も元作品にちゃんとある。●日本に売られるガールズ 後ろでマジンガーZ、ウルトラマン、ゲッターロボ調の巨大ヒーロー達が泣いている。●ディックの通販番組 こういうアメリカ風の通販番組というのも、他でもないテレビ東京深夜の「テレコンワールド」で見られるようになりましたな。●パワーパフガールズ・エクストリーム 名称の元ネタはおそらく「GIジョー・エクストリーム」から。ガールズの綴りが"GIRLS"ではなく"GIRLZ"に。●失敗作のガールズ達 博士が偽ブロッサムに呼びかけて振り向くシーンなど、かなり怖い演出。バブルス缶収録の「ガールズの妹!」でも提示された「ガールズも一つ間違えたら怪物になってたかも」という危うさは、今回更に過激な表現に。●あなたは愛をくれなかった 完璧な女の子を作るには、お砂糖やケミカルXといった材料だけでなく、そこに“愛”が無ければならない、という本作品のテーマが描かれた名シーン。失敗作ガールズ達がフリークスな外見とは裏腹に、正義の心を失っていないのも感動的。また偶然生まれた疑似家族だった博士とガールズが、この話の頃には「本当の父娘」以上になっているのも泣ける。
ともだちになりたい! Superfriends
●新しい隣人 さすがにスミス一家はあそこに住んでいられなくなったようで。●ただのつまらない旦那さんと奥さんよ、この辺に住んでいる他の夫婦みたいにブロッサム、さりげなく毒のあるセリフを吐いてます。●やほーやほー こういう時、真っ先に声をかけるのは無邪気なバブルス。「見えない友だち」のマイクの時もそう。●間違って私たちを作った人 この後のやりとりからして、ロビンは絶対違う意味に取ってるな。ガールズより大人? ●うちもネコちゃん飼ってたよ ブロッサム缶収録「博士がドロボー!?」の回を参照の事。●博士がペット作ってくれた 同じく「かわいいペット!?」を参照。●呼び出しシグナル 本当に久しぶりの使用。市長がその存在を忘れてたのも仕方あるまい。●挿入歌 The Apples in Stereoの"SIGNAL IN THE SKY(LET'S GO)"。今回のエピソード用に書き下ろしたように思えるほど、歌詞の内容がピッタリ(実際は歌の方が先)。この曲はパワーパフガールズのソング集、CD「Heroes & Villains」に収録されているので、こちらも要チェック。●家賃の取り立てをするプリンセス 「ワルイことはイイこと!?」の時に、プリンセスがタウンズビルを買い取ったという設定はまだ生きているようだ。●万引きのそそのかし ロビンの不満につけこんで、万引きさせるくだりが妙にリアル。プリンセスって育ちが悪そう。生まれつきのお嬢様ではなく、やはり成金の娘なのか。
パワーパフ・リスちゃん! Stray Bullet
●アメコミ版パワーパフ 本作品のコミック版は、アメコミの大手DCコミックスから出版されている(日本でも小学館発行の翻訳版で読める)。今回のお話はコミックス版第1話「新ヒーロー誕生!"SQUIRRELLY BURLY"」がベースとなっているが、バブルスがケミケルXを飲ませたせいでスーパーリスが誕生するという設定以外、ストーリーの細部はかなり異なる。またコミック版ではリスの名前はトゥイッティで、顔も「さわっちゃダメ!」のモモンガそっくり。●冒頭のキャンプシーン マシュマロを火であぶってたり、木の上にオポッサムがいるのは、どちらもアメリカのアウトドアライフの記号的表現だが、日本人には馴染みが薄いので一応説明。なお、ここで珍しい半ズボン姿の博士が一瞬だけ登場する。●モジョの机 グラファイトカラーのiMacが置いてある。●画鋲 ゆっくりと武器弾薬を準備するモジョ。なぜか最後に椅子の下に画鋲を置くが、これはどう使うつもりだったのか?●Bで始まる名前を与える そういえば「ガールズの妹」バニーもちゃんとBで始まる名前でした。●助けた人を口の中に入れておく これは「リスは頬袋に食べ物を貯める性質がある」事からのギャグ。●バブルスの成長 三人の中で最も精神的に成長しているのがバブルス。「大きなかくしごと」の時に子クジラとの別れを経験したせいか、今回も自ら「ブレッドは森に残るべき」と決断するなど、かなり大人な態度をとっている。
バブルスとまほうのチョーク All Chalked Up
●ストーリーブック版 こちらはSCHOLASTIC発行のストーリーブック第2巻を元にしたお話。●けんか!けんか! 集まってくる園児たち、なぜか嬉しそうな表情である。みんな性格が悪いのか、はたまたバブルスVSバターカップという、スーパーガール同士の迫力バトルを見てみたいのか? ●バブルスの絵の事、どう思ってるかわかる? 古くは「色がなくなっちゃった!」のバスのシーンでも、お絵描きに熱中するバブルスに、バターカップはほとほとウンザリした顔をしていた。この頃から不満は溜まっていたワケね。●描いた絵が本物の怪獣になる …というシチュエーションは、初代ウルトラマン第15話「恐怖の宇宙線」と同じ。この回に登場する怪獣ガヴァドンは、子供の描いたラクガキが実体化したもの。●待った、バブルスは? このシーン、バブルスは完全に放心状態になっている。彼女にとって自分の描いた絵が友達を襲っているというのは、大ショックな出来事なのだろう。●必殺技オンパレード 今回は氷の息・ビーム攻撃・大声攻撃と多彩な必殺技が披露される。特にブロッサム&バターカップの合体技「チェリーボム」は今回初登場。●悪意から生まれた存在 だが、結局あらゆる必殺技がラクガキ怪獣に通用しない。これは今回のモンスターが、純粋にバブルスの感情から産み出された物なので、物理的攻撃は効かないという事なのだろう。「禁断の惑星(56')」の“イドの怪物”を思い起こさせる。
映像特典:USカートゥーンネットワーク制作・放送「パワーパフガールズムービー」予告編

Volume.13
 スーパーパワーで悪い奴らをぶっとばすだけが能じゃない。ユートニウム博士を人質にとったカレがガールズに与える難問奇問、そして試練にチャレンジさせられるシリーズ最大の頭脳戦、というより命懸けのトンチ合戦(?)「カレとガールズのちえくらべ」で幕を開ける第13巻は、怖いのは巨大怪獣だけじゃない! 宇宙から来た小さな侵略者・モノボットに対抗するためガールズも縮小光線で極小化。ミクロの世界での対決となる「ちっちゃくなあれ」と、いつもと違うパターンの戦いの連続に、ガールズ大苦戦。
 きわめつけは“とりあえずの最終回”「今日もみーんなすくわれた!」。“宇宙で一番悪〜いエイリアン”の登場で、とうとうガールズ大惨敗! 最大のピンチにブロッサムのとった最後の手段、…それは宿敵モジョ・ジョジョと手を組み、協力してエイリアンを倒すという危険な賭けだった。はたしてモジョ&ガールズ連合軍は地球を守れるのか!?
 最高にパワフルでスリリングなこの最終巻を観ずして、ガールズを語るなかれ。ファン必見!
 ありがとうパワーパフ ガールズ。そしてさようならパワーパフ ガールズ。…でも君達とのお別れはほんのちょっとの間だけ。ガールズなんと銀幕にデビュー! 今回の映像特典はなんと劇場版「パワーパフ ガールズ」の予告編(トレーラー)をバッチリ収録だ。
カレとガールズのちえくらべ Him Diddle Riddle
●質問はあと8つ カレはガールズを直接攻撃するより、心理的にいたぶるのがお好き。「次々とナゾナゾを出す」というのは、バットマンの悪役リドラー(ナゾラー)っぽいやり口。全体の構成は「ダイ・ハード3(95')」に似ている。●公衆電話まで走らせる これは「ダーティハリー(71')」で、凶悪犯スコルピオがハリーに対して同じ事をやらせていた。関係ない一般市民が電話に出ようとするのも同じ。●もうちょい早くできない? ここでブロッサムが使っているのは、西洋の線そろばんタイプのかなり古い物のようだ。時間がかかるのもやむなし? ●おうまさんだ! 日本では皇居前くらいでしかお目にかかれない騎馬警官だが、アメリカでは主要都市には必ず騎馬警官がおり、主にパトロールや交通整理にあたっている。●おいウソだろ? 踏切で足止めを食らう車のドライバーは「色がなくなっちゃった」の回のジム。●制限時間は2分45秒だ 本放送ではこの「サルが何かを与える」という難しい謎を出した後、ちょうどCMが入るので、いかにしてサルからアイスが貰えたのかは永遠の謎。●サメが泳いでるお湯の中へドボン サメは熱湯の中でも平気なのか。●答案をのぞこうとするバターカップ 三人合わせて100点取ればクリアーなワケだから、カンニングさせた方が有利なのに、反射的に見せまいと隠すのがブロッサムらしい。●西経212度・北緯32度の地点 タウンズビルって意外と日本に近い所にあったのね。
ちっちゃくなあれ Nano Of The North
●黒い雲が街をおおう ビル街に影を落とすカットは「インデペンデンス・デイ(96')」の巨大円盤襲来シーンの雰囲気。●ガールズの見てるTV番組 これまた「デクスターズ ラボ」のキャラクター、ポニーパフ・プリンセス。●ここが特に好きなの かなりシュールな番組らしい…。嬉しそうなバブルスに比べて、バターカップはつまらなそうな顔。●ナノボット デザインイメージはおそらくT2ファージ。炭素を食べて増殖するという設定は「宇宙大怪獣ドゴラ(64')」からか? ●博士のコンピューター わざわざ計算結果を紙テープで打ち出すレトロなシステムがグー。●お洋服全部無くなっちゃった 子供相手でも、一応裸を見ないようにしてあげる博士は紳士ですな。●ヒーローの縮小 「小さい敵と戦うため、ヒーロー自身も小さくなる」というシチュエーションは、鉄腕アトム88話「細菌部隊」ウルトラセブン31話「悪魔の住む花」、さらにはデクスターズ ラボの「ミクロの迷探検」などで見られるが、いずれも「ミクロの決死圏(66')」のように人体内部に入って戦うお話が多い。今回のような小さくなっての野外戦闘を描いたのはパワーパフが初めて? ●ミクロの世界の戦い 背景に実際には見えないはずの、原子記号が描いてあるのが細かいギャグ。●15センチのモノボット ナノボットが脅威なのは、肉眼では見えない程小さいせいで、合体して中途半端に大きくなると逆に無力、というのは秀逸なオチ。
今日もみーんなすくわれた! Forced Kin
●とりあえずの最終回 テレビ東京の放映時はこのエピソードが最終回。だが本国では劇場版製作のためにTVシリーズの方は一時的にお休みとなっているだけで、特にこれが最後の話というわけではない。ただ偶然にも「宇宙から飛来した最強の敵」「ガールズ大ピンチ!」「ガールズは仕方無くモジョと手を結ぶ」「結果的にモジョが地球を救う」など、実に最終回らしいドラマになってしまっている。●プランR バターカップの服の黒い部分がゴム製だったり、ブロッサムのリボンが実は時限爆弾だというのは、第51回めにして初めて明かされたギミック。●悪者の中の悪者 …と、ブロッサムが誉めた(?)次のシーンで、モジョは食料品店のクレーマー客という、非常にセコい悪事を働いている落差が絶妙。●空を見上げる群衆 このシーンで、ついにデクスター本人も出演。●まずは形からだ バブルスがモジョ帽子をかぶるのはこれが2回目(最初は「モジョはバブルス!?」の回)。格好は一番決まっているが、ウサちゃんのぬいぐるみを踏んづけるだけで気絶してしまうのが可愛い。●ベクトルグラフィックだからだろ おそらくベクタスキャン型ディスプレイを使っていた昔のゲーム機(日本では83年に発売された“光速船”など)を差して言った、ものすごくマニアックなギャグ。●モジョの武器 エイリアンの巨大ロボットを倒した最後の武器が「堅いフランスパン」というオチが、いかにも本作品らしい。
映像特典:パワーパフガールズムービー予告編


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