デクスターVSパワーパフ?
さて「パワーパフガールズ」の中でチラチラ登場する「デクスターズ ラボ」とは何か? まだご存知無いの方の為に、ここで少々説明しておこう。
マッドサイエンティストの少年、デクスターは、自宅の地下に巨大な研究所(ラボ)を持っている。もちろん両親には秘密だが、彼はココでその天才的頭脳を駆使し、タイムマシンや生物兵器、巨大ロボといった画期的な発明品を作り出している。だがデクスターには天真爛漫で自由奔放、体力バカのお姉さんディーディーという恐るべき天敵がいた!
毎回繰り広げられる姉弟ゲンカによって、その科学の結晶は今日もまたあえなく破壊されてしまう…、というパターンのSF風味ギャグアニメ。ブロッサム缶でも解説した「ホワッツ・ア・カートゥーン」枠で1995年にデビューし、新感覚のトゥーンとしてカートゥーン・ネットワーク最初のオリジナルシリーズとなった。つまり「パワーパフガールズ」にとっては直系の先輩なのだ。
いや、先輩というよりも「デクスターズ ラボ」の産みの親ゲンディ・タルタコフスキーは「パワーパフ」ではプロデューサーを務めているし、逆にクレイグ・マクラッケンも「デクスター」では演出として参加していたなど、スタッフは両作品共通しているのだ。いわば血を分けた兄と妹。
そんなわけで「パワーパフ」にはパペットパルにクーシーにスーパーモンキーと、デクスターキャラがよく出演するし、「デクスター」では「スター・チェック
脱出大作戦」の回で、パワーパフガールズの人形が登場する。
そして「スーパーマン戦争」(次のバターカップ缶に収録)では、デクスターワールド側のヒーロー、グローリー少佐&バルヘーレンが重要な役どころで登場するなど、どうやら作品世界そのものが地続きのようだ。
ところで「パワーパフ」にはよく“外国から見たヘンな日本”が登場するが(「夢みたい!」の冒頭など)、これも「デクスター」と合わせて見てみると、どうも“こんな描写は古い”とわかった上で、意図的にギャグにしているフシがある。
なぜなら「戦え!デクスター一家」の回では、デクスターは日本に留学するのだが、冒頭の東洋的ステロタイプな日本人描写が、話が進むにつれ髪の毛が黒でなく、ピンクや青になっていくし(日本製アニメではそうなってるから)、ニヒルなライバルはお約束で片目隠してるわ、「メガゾーン23」風のバイクからロボットに変形するメカは出るわ、富士山から怪獣は出現するわで、どんどんアニメや映画から向こうに伝わった「ポップカルチャーな日本」に変化していくのには大爆笑。
そんな日本好き(?)のタルタコフスキーの最新作は、なんとユートニウム博士似の侍が主人公の「サムライジャック」。もちろんコレも楽しみだが、それ以上に見てみたいのがデクスターとパワーパフガールズの本格的共演。最初は誤解から対立するけど、最終的には手を組んでモジョ&マンダーク連合と戦う、なんてお話をスペシャルでぜひお願いしま〜す。でもディーディーとバブルスなんて、すぐに仲良くなっちゃいそうだけどね。
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