かつて少年時代に「東映まんがまつり」の「マジンガーZ対デビルマン」や「グレートマジンガー対ゲッターロボ」といった、「夢の競演」に胸ときめかせた世代が人の親となった90年代、夢よ再びとばかりに登場したのがビデオオリジナルの「二大戦隊共演シリーズ」なのだな。
96年の「オーレンジャーVSカクレンジャー」に始まって、年1本のペースで製作されてるこのビデオ、順当に行けば来年は「ゴーゴーファイブVSギンガマン」になるハズである。
さて、そんな夢のシリーズの中でも「美少女仮面ポワトリン」「有言実行三姉妹シュシュトリアン」から「はれときどきぶた」「たこやきマントマン」に至るまで、シュールなバカ話脚本を書かせたら並ぶ者無し!の天才・浦沢義雄がシリーズ構成を手掛けた、戦隊シリーズ最強(?)のお笑い5人組「激走戦隊か〜〜れんじゃあ」の登場する「カーレンジャーVSオーレンジャー」「メガレンジャーVSカーレンジャー」は特にオススメだ。
特に「カーVSオー」は、正統派マジメ戦隊であるオーレンジャーと対比させる事によって、カーレンジャーの「おバカな魅力」がさらにさらに際だっているので必見と言えよう。
もともとカーレンジャーは、町工場に勤める一般市民のアンちゃん達が、宇宙人ダップの口車に乗せられて、宇宙の暴走族と戦うハメになったという、成り立ちからしていーかげんなヒーロー。
そんな彼らのお気楽ぶりに豪を煮やした、オーレンジャーの指令官・三浦参謀長に「マトモな戦隊になるため」の特訓を受けるシーンは、参謀長役が「仮面ライダーV3」「怪傑ズバット」「アオレンジャー」を演じた宮内洋だということもあいまって、日本ヒーロー物30年の歴史の重みとか、いろいろ考えさせられちゃう名シーンなのだな。その三浦参謀長に、初対面時に口から吹き出したドンブリメシぶっかけちゃう、レッドレーサー・陣内恭介の「いかにもかぁ〜〜れんじゃあ」ぶりもとってもステキではあるが。
さて、三浦参謀長の指導が良かったのか、翌年の「メガVSカー」では、高校生戦隊のメガレンジャーに対して、社会人戦隊カーレンジャーは結構いい先輩ぶりを発揮していて感心感心。でもメガレンチームの通う高校に潜入する時の、カーレン側の「無理のある制服姿」はやっぱし「お笑い戦隊」ならでは。
いい味出しすぎだわ、こいつら。