#1「ええっ! 私が宇宙の勇者なの?」(94/04/01)


○宇宙空間
   漆黒の宇宙にきらめく閃光。
   次々と爆発、炎上するオルドビス帝国の宇宙艦隊(円盤群)。

○女王旗艦(マザーシップ)の艦橋
シルル「……じゅ、十三機の戦闘母艦がわずか1分で!」
   驚愕の表情でその光景を見つめるシルル女王。
シルル「くううっ。あの女一人の為に、このオルドビス大銀河帝国が壊滅すると言うのか!!」
   ドカーーーン!!
   艦橋の上部(天井部分)がいきなり大音響をたてて爆発する。
   爆炎の中に浮かぶシルエット。
シルル「お、おまえは!!」

○タイトルページ(見開き)
シルル「(声のみ)スターピンキーQ!!」
   そこには、余裕の笑みを浮かべて立っているスターピンキーQの姿が。
Q「はぁーい 」

○同・艦橋
シルル「たーーっ!!」
   剣を抜いてスターピンキーQに最後の対決を挑むシルル女王。
シルル「おまえなんかに、負けるたまるかぁ!!」
   スターピンキーQ、ピンキーバトンで楽々とシルルの剣を受け流している。
Q「(笑って)ふふっ。」
シルル「きーーーーっ、くやしいぃ!!」
   Qは余裕しゃくしゃく。明らかにシルルの方が劣勢である。
   ピピピピピピ!!
   ピンキーアイにマリオンRからの通信が入る。
マリオン「(声のみ)キャプテン! 爆破装置セット完了しました。」
Q「ご苦労さまマリオンR。じゃ…。」
   Q、さっと宇宙空間へ脱出する。
Q「グッバーイ、シルル女王!」
Q「長いつきあいだったけど、あなたとも今日でお別れね。」
シルル「あ、こら待て! 逃げるのかスターピンキ……。」
   ピカッ!!
   その時、艦橋を白い閃光が包む!!

○宇宙空間
シルル「(声のみ)きゃああああああっ!!」
   大爆発を起こすマザーシップ。

○同
Q「これでオルドビス帝国との戦いも終わったわ…。」
   万感の思いを込めてその光景を眺めているQ。
Q「…………………………。」

○同
   宇宙空間を浮遊しているマザーシップの残骸。
   その中に紛れて、あちこち焼け焦げてボロボロの救命カプセルが。
シルル「このままで済むと思うなよ!! スターピンキーQ!!」
シルル「この恨み、必ず晴らしてやるからな。おぼえてろぉ〜〜っ!!」
   宇宙の闇に消えて行く救命カプセル。

○静寂を取り戻した大宇宙
   −−−場面変わって。

○街並み・全景
   東京近郊のベッドタウン。

○住宅街
   小高い丘の上に、一軒だけ離れて建っている小さな建て売り住宅。
   その家から元気ハツラツな明るい女の子が飛び出してくる。
はるか「行ってきま〜〜す!!」
   −−−主人公・星野はるかである。

○通学路
   親友の姿を見つけ、声をかけるはるか。
はるか「琴菜、おっはよー!!」
琴菜「あ、はるかちゃん。おはよう。」
   琴菜、手に分厚い本を抱えている。
   (横山茂雄著「聖別された肉体」の文字が見える。)
はるか「あれぇ? 琴菜ぁ、それきのう図書室で借りた本でしょう。もう読んじゃったのぉ?」
琴菜「…うん。面白い本だから、ついつい一気読みしちゃって。」
はるか「スゴいなー琴菜は。あたしなんかコバルトやパレット文庫でさえ、一冊読むのに一週間はかかるのにぃ。」
琴菜「その方が正しいわ。本はゆっくり味わって読んだ方がいいもの。」
はるか「えへっ、そーお?」
   校門に向かって歩いて行く二人。
   その時、後ろからバイクのエンジン音。
   歩道を歩く二人の横を追い抜いて行く一台のバイク。
   乗っているのは高校の制服姿の少年。

○ヘルメットのアップ
   バイザー部分から、少しだけ顔が見えてる。

○通学路
はるか「(心の声)織田先輩!!」
   思わず足を止め、バイクの後ろ姿をボーッと見送ってしまうはるか。
はるか「(決意した表情で)よし、今日こそはあっ!!」
   なんだろう? てな表情で見つめている琴菜。

○学園
   −−−私立見城学園。洒落たデザインの真新しい校舎が見える。

○同・校庭
   芝生などもある、大学のキャンパス風の広い校庭。
   昼休み、生徒たちは思い思いに芝生やベンチに座り、弁当を広げている。
   琴菜がサンドイッチを食べてる横で、はるか、カバンから一眼レフのカメラを取り出す。
琴菜「カメラなんか持ってきてどうするの?」
はるか「(恥ずかしそうに)…………せ、先輩の、写真をね。」
はるか「…その、どうしても一枚欲しくって。」
琴菜「先輩って?」
はるか「うん、高等部の織田勇人先輩。琴菜だから言うけど、実は前から憧れててさぁ。」
琴菜「わかるわ。織田先輩ってカッコいいものね。」
はるか「でしょでしょ。」

○同・グランド
   クラスメイトと昼休みバスケをしている織田先輩。
はるか「いた!」
   校舎の影からそっとカメラを構えるはるか。
はるか「気付かれないませんように…。そーーっと、そーーっと…。」

○カメラのファインダー内
   パシャパシャとシャッターを切るはるか。
   織田先輩、急に振り向く。(シャッター音に気付いたようだ。)

○グランド
はるか「あ!」
   昼休みバスケの輪を抜け、つかつかとはるかたちの歩いてくる織田先輩。
織田「君たち、何をしているのかな?」
   ビクッ!! となるはるか。
はるか「あの、えーと、そのぉ。」
   苦し紛れにムチャクチャな言い訳を始めるはるか。
はるか「べべべ、別に先輩を撮ってたんじゃないです。えー、空を…。」
   わざとらしくカメラのレンズを上に向ける。
織田「(不審そうに)なんで空なんか…。」
はるか「そそ、それは……。」
はるか「あ、そうそう! なんかあっちの方にUFOみたいなのが飛んでたから…。」
   織田、急に態度が変わり、はるかの指さした方を振り向き、
織田「なにっ!! UFO!!」
   織田、空を見上げる。もちろん何も飛んでない。
はるか「……あ、もう行っちゃったみたいですね。はは…。」
織田「どんなだった!?」
はるか「は?」
織田「UFOの形状だよ! それに色は? 飛び方は? スピードは!?」
はるか「あー、そ、それはですね…。」
   しどろもどろのはるか。
   キーンコーンカーンコーン。昼休み終了のチャイムに救われる。
琴菜「はるかちゃん、午後の授業がはじまっちゃうよ。」
はるか「そ、そうね。すみませんけど、もう戻らないと…。」
織田「待って! 君たち、中等部の子だね。」
はるか「は、はい。」
織田「悪いけど、放課後またここに来てくれないかな?」
はるか「え?」
はるか「(嬉しそうな顔で)はい、行きます。必ず!!」

○宇宙空間
   表面の半分を人工建造物に覆われた小惑星が浮かんでいる。

○小惑星
   オルドビス軍の宇宙基地。管制塔の上に立つシルル女王。
シルル「……あの屈辱の日から3年。」
   眼下に十数機の円盤母船、それに数百人の兵士たちが並んでいる。
シルル「長かった。ほんっとーーーに長かった!!」
シルル「でも、ついにここまでこぎつけたわ!!」
シルル「偉大なるオルドビス大銀河帝国、宇宙艦隊の復活よっ!!」
兵士たち「おおーーーーっ!!」
シルル「我々の目的はただ一つ、再びこの手に銀河の覇権を取り戻す事!」
シルル「まずは憎っくきスターピンキーQを、血祭りにあげてやるわっ!!」
兵士たち「おおーーーーっ!!」
兵士たち「シルル・ド・オルドビス女王陛下、バンザーイ!!」
デボン「あーーー、陛下。その事なんスけど…。」
シルル「む、デボン参謀か。何の用?」
   盛り上がってる所に水を差すデボン参謀。
デボン「スターピンキーQならとっくに引退して、今は行方知れずだそーで。」
シルル「引退ぃぃ!?」
デボン「はぁ、ワシらオルドビス軍をやっつけた事で安心したんでしょうな。普通の静かな生活をしたいとかゆって、辺境の惑星で隠居してるって噂ッスよん。」
シルル「けっ! 自分だけ幸せになろーったって、そーはいかないわよ!」
シルル「この私がいる限りねっ!!」
   部下の兵(隊長クラス)に命令するシルル。
シルル「偵察機(スカウトシップ)を出せ!! 28時間以内にスターピンキーQを探し出すのよ。いいわね!!」
偵察隊隊長「はっ! お任せを!!」

○宇宙
   四方に散っていくスカウトシップ。

○再び地球
   −−−放課後。さっきのグラウンド。

○グランド
   織田先輩にウソのUFO報告をしているはるか。琴菜も付き添ってる。
   織田、メモをとりながら熱心に聞いている。
織田「ふんふん、あの木の上あたりをジグザグ飛行していたというわけだね。」
はるか「(心の声)あーあ、ウソの上塗り。罪悪感感じちゃうなー。」
はるか「(心の声)……でもでもぉ、憧れの織田先輩とこんなにお話できてラッキー。」
   メモをとる先輩の横顔にポーッと見とれるはるか。
   その時、後ろから声が。
飛鳥「(声のみ)ぶちょー、UFOですって?」
   高等部の女生徒1人(飛鳥)と男子生徒2人(伊吹・秋山)がやってくる。
織田「うん、この子たちが昼休みに見たんだそうだ。」
はるか「あの、この人たちは?」
織田「うん、僕と同じ『超研』のメンバーさ。」
はるか「『超研』?」
伊吹「はい、『超常現象研究会』 UFOや超能力、心霊現象にネッシーまで、未だ解明されていない不思議な事を科学的に研究するクラブなのです。」
はるか「へぇー、面白そうですね!!」
琴菜「うちの学校にそんなクラブがあるなんて、知りませんでした。」
秋山「それはねー、残念ながら部員の数が足らんので、学校側に正式に認められてないせいなんだよねー。」
織田「伊吹くん、ちょっと。」
伊吹「はい、部長。」
織田「(メモを見ながら)この角度で、このくらいの大きさで見えたって事は……。」
伊吹「(腕を延ばし、エンピツを立て三角測量しながら)そうですね。市民公園の真上あたりを飛んでたんじゃないでしょうか?」
織田「よし、行ってみるか。」
織田「(はるかたちの方を向き)君たちも、来る?」
はるか「は、はい! もちろんっ!!」
   いそいそと先輩の後についていくはるか。
はるか「ゴメンね。つきあわせちゃって。」
琴菜「ううん、いいのよ。気にしないで。」

○市民公園
織田「このあたりか…。」
秋山「もう一回現れてくれんもんかねー。」
飛鳥「ぶちょー、また私が呼んでみましょうか。」
はるか「呼ぶ?」
織田「…あ、ああ。彼女、飛鳥明子君は霊感の持ち主でね。テレパシーで宇宙人と交信できるとか言ってるんだ。」
織田「(小声で)科学派の僕としては、そういう方法はあんまり好みじゃないんだけどね。」
はるか「はぁ。」
飛鳥「では、いきます! はーーーっ!」
   飛鳥、手を組み、目を閉じて精神統一する。
飛鳥「大宇宙の兄弟たちよ。私の呼びかけが聞こえたら姿を表して下さい!!」

○空
   綺麗な夕焼け空。何事も起こらない。

○市民公園
一同「…………………………。」
飛鳥「だめだわ。今日はテレパシーの力が弱い。」
飛鳥「(カッと目を見開き、有無を言わさぬ強い口調で)みんな、手をつないで!! 
 精神パワーを合わせてテレパシーを増強するのよ。」
一同「(勢いに押されて)は、はい。」
   手をつないで輪になる一同。有頂天になるはるか。
はるか「(心の声)きゃあきゃあ、先輩と手をつないじゃった。嬉しいよぉ〜〜。」
はるか「(心の声)こんなに幸せでいいのかしら 」
飛鳥「(大きな声で)大宇宙の兄弟たちよ。私たちの呼びかけが聞こえますか?」
はるか「(心の声)うーふふふ。もー幸せ振りまいちゃう。宇宙の兄弟かなんかしらないけど、この気持ち、天まで届けーーーっ!!」

○成層圏
   地球を偵察しているオルドビス軍のスカウトシップ。

○スカウトシップ内部
   計器を眺めている兵、隊長の方を振り向いて。
兵1「隊長!! 高レベルの精神波反応があります。」
兵1「それに、この独特の波形はピンキー星人特有の…。」
隊長「まさか!? こんな辺鄙な星にスターピンキーQがいるというのか?」
隊長「よし、高度500まで降下!!」

○市民公園
飛鳥「少しでいいのです。姿を見せて下さい。わたしたちに愛のメッセージを!!」
伊吹「(空を指さし)ああっ!!」

○空
   降下してくるスカウトシップ。

○スカウトシップ内部
兵1「特定できました。モニターに出します!!」

○モニター画面
   驚いて上空を見つめているはるかの姿が映し出される。
隊長「うーーーむ、似ている…。」

○スカウトシップ内部
兵2「女王陛下に報告しますか?」
隊長「いや、まだだ。報告は確かなものでなくては。」
隊長「これは着陸して確認する必要があるな。よし、夜まで待機。透明シールドを張れ!」
兵2「はっ!」

○空
   消えていくスカウトシップ。

○市民公園
秋山「消えた!?」
伊吹「きっと瞬間移動したのでしょう。1989年のアメリカ・コロラド州の目撃でも同様の…。」
飛鳥「おおお、宇宙の兄弟よ!!」
   織田先輩、無言で空を見つめている。はるかの手を放すのも忘れている。
はるか「    」
琴菜「……嘘から出たまことね。」

○はるかの家・玄関
はるか「たたいま〜、ママ。」
   出迎える母親。口もとには優しい笑みを浮かべている。
母親「おかえりなさい、はるか。」
母親「あら? なんだか今日はえらくご機嫌ね。」
はるか「へっへー、わかるぅ?」
   部屋に入るはるか。
母親「今、紅茶を入れたところよ。あ、マロンケーキも買ってきたのよ。」
母親「そうそう、今日の夕食はあなたの好きなパエリアにしましょうね。」
はるか「わー、今日はいい事ばっかしだー!」
   はるか、さらに喜びかけるがふと思い直し、
はるか「ねぇママ。前から気になってるんだけど…。」
母親「なぁに、はるか?」
はるか「あたしが言うのはなんだけど、ママって少しあたしを甘やかしすぎじゃないかな。このままじゃきっとロクな大人になんないよ。」
母親「そんな事ないわ。それに…。」
母親「どんなに甘えても、わがまましてもいいのよ。あなたはここでの余生を充分に楽しむ権利があるわ。だってそれだけの功績があるんですもの。」
はるか「(理解できず)へ?」
母親「さーて、夕御飯の支度しなくちゃ。」
   母親、キッチンの方へ行ってしまう。

○宇宙
タルト「(声のみ)お知らせしなくっちゃ、お知らせしなくっちゃ!!」
   猛スピードで地球に向かって突き進む魚型のロケット。
   −−−スターブリーム号である。
タルト「(声のみ)早くおねえさまにお知らせしなくっちゃーーーっ!」

○はるかの家・浴室
   シャワーを浴びているはるか。
はるか「うちのママって、ときどき変な事言うなー。」
   バスタブの中に浸かり、
はるか「ふう〜〜っ、いい気持ち。」
   ボーッと先輩の手の感触を思い出している。
はるか「へへっ 」
   はるか、しまりの無い顔になる。
   その時、かすかに「キーーン」という音が聞こえてくる。
はるか「!?」
   だんだん音が大きくなる。

○町並み・夜
   キーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
   ロケット、雲を突き抜け一直線にはるかの家の屋根に突っ込む。
   ドドーーーン!! バリバリバリ!!

○浴室
   天井が裂けて、ロケットの下部がのぞいている。
はるか「……あ、あああ。なによコレ。」
   母親が駆けつける。
母親「大丈夫、はるか!?」
はるか「う、うん。一応。」
   はるか、浴槽から上がりバスタオルを巻く。
はるか「よし!」
   コンコンコン。
   はるか、風呂のかき混ぜ棒でロケットの下部をつついてみる。
   その時、ギギーーッという音が響く。
はるか「わぁっ!!」
   驚くはるか。(バスタオル少しズレる。)
   ギギギギギギ。ロケットのハッチがゆっくりと開く。
   不安そうに見つめるはるか。
   ボトッ!! ハッチから何かスライム状の固まりが浴槽に落ちる。
はるか「ひっ!!」
   ゴボゴボゴボ…。
タルト「おねーーーさまぁ!!」
   バシャーン!! シュルシュルシュル!!
   浴槽からスライムが触手を延ばしてはるかにからみついてくる。
   (B級SFホラー映画みたいな感じで。)
はるか「だああああああああああああああああああ」
タルト「おねーさまぁ、会いたかったですぅ!!」
はるか「ひええええ、たっ、助けてぇママ!! ……あれ?」
タルト「おねぇさまぁ、おねぇさまぁ!!」
   スライム、次第に小さな女の子の姿に変形していく。
はるか「ど、どーなってんの?」
   タルト、顔を上げ、
タルト「おねえさま!! 大変なんですよ。あのシルル女王が生きてたんです!!」
はるか「は?」
タルト「それでそれで、宇宙艦隊を再結成して、おねえさまに復讐するっていきまいてるんです!!」
タルト「この星にもいずれオルドビス軍がやってきますわ。早く迎え撃つ準備をしなきゃ!!」
はるか「ちょ、ちょっと待ってよ、何の事だかさっぱしわかんないわ。だいたい、あんた誰?」
タルト「何言ってるんですか!! タルトPですよタルトP!! 忘れちゃったんですかぁ!?」
タルト「……ん? あ、そうか。この星に来る時に記憶を消したんでしったけ。」
はるか「記憶を消したぁ?」
タルト「いいですか! おねえさまの本当の名前は『スターピンキーQ』 天下無敵・宇宙最強のスーパーレディにして銀河系の救世主!!」
はるか「すたあぴんきぃ・きゅうぅ?」
タルト「あーーもう、じれったい!!」
   タルト、はるかの母親の方を振り向き、
タルト「タルト説明したりするのって苦手。ねぇマリオンRぅ、あなたから言ってやってよぅ。」
母親「そうですね。もうお芝居は終わりにしましょう。」
はるか「ママ、何を…。」
   ベリベリベリ!! はるかの母親、ラバー製の外装を破り捨てる。
   その下からはアンドロイド・マリオンRが現れる。
マリオンR「お久しぶりです。キャプテン・スターピンキーQ!」
はるか「どああああああ…………。」
   あまりの事に呆然とするはるか。

○はるかの家の上空。
   先ほどのUFO(スカウトシップ)が浮かんでいる。
   (暗闇に光っている。)

○スカウトシップ内部
隊長「よし、降りるぞ。」

○はるかの家・キッチン
はるか「……ど、どういう事か説明して!!」
マリオン「はい、キャプテン。」
   いきなりマリオンRの目から光線が出る。(映写機になっている)
はるか「わっ!!」
   ホログラム映像が始まる。

○映像(回想シーン)
   オルドビス軍の大艦隊が映っている。
マリオン「かつて銀河系は、悪の天才、シルル女王に率いられたオルドビス帝国によって征服されようとしていました。帝国の侵略に、いくつかの星々は抵抗を試みましたが、圧倒的なオルドビス艦隊の前に次々と敗れ去っていきました。」
   宇宙戦の様子。
マリオン「宇宙はこのままオルドビス帝国に支配されてしまうのか? 否! 銀河系に悪の栄えたためし無し! 宇宙の勇者・スターピンキーQがシルル女王の野望の前に立ちはだかったのです!!」
   過去のスターピンキーQの勇姿が映っている。
マリオン「たった一人でオルドビスの大艦隊を全滅させるという、スターピンキーQの超人的な活躍によって帝国は崩壊。宿敵シルル女王を倒し、全宇宙に愛と平和を取り戻したのでした。」
はるか「ほーー。」
マリオン「その後スターピンキーQは、戦いの疲れを癒すため、辺境の惑星・地球で陰遁する道を選びました。今までの記憶を消し、姿も変えて、平凡な女子中学生・星野はるかとして、第二の人生をスタートさせたのです。」
マリオン「しかし、その平和な日々も今日で終わりです。再びスターピンキーQとして全宇宙の平和を守る為、戦う時が来たのです。」
はるか「んな事急に言われたってぇ!!」
   映像終わる。
はるか「だいたいいきなりそんな話されたって、信じられるわけないじゃ……。」
   ある事に気付き、愕然とするはるか。
はるか「待てよ…。」
はるか「そう言えば、あたしには中学校以前の記憶が無い…。」
はるか「それに…、この家には父親がいないというのも変よね…。」
マリオン「ご理解いただけましたか。」

○家の中
   −−−その時!!
   ドカッ!!
   いきなりドアを蹴破ってオルドビス兵が侵入してくる。
マリオン「はっ!!」
兵1「うっ、マリオンR! それにタルトP!」
兵2「(はるかを指さし)間違いない、こいつがスターピンキーQだっ!!」
兵1「撃て撃てっ!!」
   タタタタタタタタッ!!(光線銃ではなく、実体弾)
   さっとはるかをかばうマリオンR。銃弾が命中する。
   が、マリオンのボディは銃弾をはじく。
はるか「ひ、ひえええっ!」
マリオンR「これくらいなら平気です。」

○外
   はるかの家の前に着陸しているスカウトシップ。
隊長「馬鹿どもが! 誰が発砲しろといったか。我々の任務は偵察だというのに…。」

○家の中
兵3「うわっ!!」
   バシッ! タルトPの腕がぐにょーーんと伸びて、オルドビス兵に強烈パンチ。
   ドドドドドドド!! マリオンRはフィンガーミサイルを乱射!
兵4「ひぃーーーっ!!」
隊長「お前たちでは無理だ。下がっておれ! 私がやる!!」
   隊長が参戦する。
タルトP「きゃああぁ!!」
   隊長、剣でタルトPに腕を切り落とす。
はるか「ああっ!!」
   はるか、その光景を見てショックを受ける。
   が、切り落とされたタルトPの腕、スライム状に戻って本体に吸収される。
   (ターミネーター2のT1000みたいに)
タルト「へへーーんだ。」
隊長「くそっ!」
はるか「ほっ…。」
マリオンR「キャプテン、これを!!」
   マリオン、はるかにピンキーバトンを投げる。
はるか「はっ! これは…。」
   ピンキーバトンを受け取ったはるか。何かが頭の中でひらめく。
隊長「隙あり!!」
   はるかに襲いかかる隊長。
   それをかわすはるか。途端に別人の様な動きになる。
隊長「うっ、は、早い!!」
はるか「この感触!! ……なぜだろう、とても懐かしい感じ。」
隊長「くそっ、死ねぇスターピンキーQ!!」
   剣を大きく振りかざす隊長。
はるか「ふんっ! そんなもの!!」
はるか「必殺! ピンキークラッシュ!!」
   ドドドドドドド!!
   バトンでの激しい連続突きが決まる。
隊長「うぎゃーーっ!」
   倒れる隊長。
隊長「…さ、さすがはスターピンキーQ。私ごときがかなう相手では…。」
   隊長、シュウシュウと音を立て、ガス状になって消滅していく。
   我に帰るはるか。
はるか「何よコレ、なんなのよぉ。」
兵5「ひっ、に、逃げろ〜っ!」
   隊長が倒されたので、逃げるオルドビス兵たち。
マリオンR「はっ、まずい!!」
   あわてて後を追うマリオンR。

○外
   上昇するスカウトシップ。
マリオン「ていっ!!」
   マリオンR、胸のミサイルを発射するが当たらない。
マリオン「しまった!!」
   猛スピードで逃げ去るスカウトスップ。
マリオン「これでこの星に我々がいる事を、シルル女王に知られてしまった…。」

○宇宙
   シルル女王の号令が響く。
シルル「−−−目標! 太陽系第3惑星『地球』!!」
   地球に向けて進むオルドビス艦隊。

○はるかの家。
   −−−朝日が登る。その光に照らし出される、スターブリーム号の突入と戦闘で
   ボロボロになったはるかの家。
はるか「これからいったいどーなるのかしら…。」
   ベッタリとはるかに抱きつくタルト。
タルト「でも、またおねえさまに一緒に戦えて嬉しいでーーす!」
マリオン「ピンキーチームの復活ですね、キャプテン!」
はるか「はぁ…。」
   疲れきった表情のはるか。

○無責任なナレーション。
N「こうして宇宙の勇者スターピンキーQは、今、華麗な復活を遂げた。
 だが、復讐に燃えるシルル女王との戦いはまだ始まったばかりなのだ。
 がんばれ星野はるか! 戦えスターピンキーQ!! 
 オルドビス帝国から地球を守れるのは君だけだ!!」 


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