眠田直のこんなモノが欲しい!(10)

ポストペットの可能性



 電子メールは何かと便利だ。例えばこの原稿もニフティ経由のメールで編集部に送っているし、私が最近関わった単行本なども、テキストデータのやりとりだけでほとんどの作業が片付いてしまう事が多い。しかも電子メールは実用一点張りというわけでもない。これで結構遊べるのだ。
 「ポストペット」という有名なソフトがある。一応説明しておくとメール送受信用ソフトに、パソコンの中でペットを飼う育成ゲームがプラスされたもの。たとえ愛欲渦巻くネット不倫の果てのドロドロした応酬のメールでも、ぷりちーなテディベアに配達してもらえばアラ不思議、とっても爽やかに感じられるという便利なシロモノだ(一部嘘)。
 メールソフトに「遊び」の機能を追加するというのは、キャラクター商品的には可能性が大きいように思う。「ポストペット」のポケモンバージョンなんてのは誰でもすぐ思いつく。パソコンの中でピカチュウ飼えたら嬉しいもんなぁ。
 「お手紙を配達する」という要素だけを取り上げるなら、ネタは動物でなくても構わない。たとえば「魔女の宅急便」のキキなんて「お届け物」にピッタシのキャラクターだ。クソ重たい添付ファイルを運ばせてやろう。
「なんで私がこんな事しなくちゃいけないのよぅ」とかブツクサ言いながらメールを運ぶ「夢のクレヨン王国」のシルバー王女というのも捨てがたい。アニメキャラに抵抗のある人向けには、写真取り込みのケビン・コスナーが文字通り「ポストマン」となってくれるメールソフトなんてのはどうだ?
 またペットはメールを運ぶだけの存在ではなく、遊んだり恋をしたり病気になったりと、いろいろな「芸」を見せてくれるのだが、ポケモン的な発想を加えるならば、メールキャラ同士の対戦とかゲーム的な側面の強化も考えられる。「帝都物語」ばりに、双方で式神を送りあいするメールソフトとかね。
 さらに「ポストペット」が面白いのは、たまにペットが自発的に飼い主宛てのメールを出す事だ(文章は自動作成)。この「架空のキャラクターからのメール」というのも様々な展開ができそうだぞ。現在、通常の郵便でもサンタクロースやウルトラマンから手紙が貰えるというサービスがあるのだが、電子メールなら定型文だけでなく、相手の好みやリクエスト応える事が可能だし、ファンレターに対しての返事も出せる。なんせ文書の自動作成に関しては「直子の代筆」という傑作ソフトが10年前からあるくらいだから、技術的にはさして難しくないだろう。
 題して「キャラクターメールサービス」! どこか本気でやってくれないものか。
 だって「おはよう!スパンク」の愛ちゃんから「ボンジュール、パパ」と書かれたメールが届いたら嬉しいじゃないか。え、例が古すぎる? んじゃ君らは「愛ちゃん」のところを藤崎詩織でも真宮寺さくらでも適当に置換してくれたまえ。


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