眠田直のコレにハマった(5)

撲殺天使フリッピーちゃん



 前号の「インベーダージム」に引き続き、今回もダークでブラックな海外アニメの話をしちゃうぞ。その名も「ハッピー・ツリー・フレンズ」! 幸せの木の仲間たちさっ。

 ♪にゃんにゃんにゃかにゃかにゃんにゃんにゃー、にゃんにゃんにゃかにゃかにゃんにゃー、という能天気なテーマソングで始まるこのアニメ、パッと見には可愛い動物キャラ達がほのぼのふわふわ幸せな日常を繰り広げる、お子様向けアニメのようであります。
 ではちょっと第一話「Spin Fun Knowing Ya」を観てみましょうか。公園で楽しく遊ぶ可愛いウサギ、シマリス、ビーバーさん達。遊具をグルグル回す役のヘラジカのランピーは、つい調子に乗って遊具を高速回転させてしまいます。遠心力で次々と吹っ飛ぶ動物たち。シマリスのギグルスとビーバーのツーシーは木に激突して「グシャッ!」と潰れ、ウサギのカドルスはなぜか駐機していた(笑)ジャンボジェットのエンジンに巻き込まれて「ズシャッ!」と粉々。何事も無かったかのように口笛を吹きながらその場を立ち去るランピー、でジ・エンド。

 とにかく毎回毎回ほのぼの〜とした感じで始まって、オチは必ず血まみれグチャグチャの残酷大惨事、というのがこのハッピー・ツリー・フレンズの怖くてブラックなところであります。最初は「うわぁ、悪趣味!」と目をそむけたくなりますが、見ているうちにだんだんこっちの感覚も麻痺してきて「次はどんな死に方をするんだろう」とついつい楽しみにしてしまいます。また製作者側も話数が進むにつれてどんどん凝った殺し方をするんだよぅコレが。

 考えてみれば、「トムとジェリー」も「ルーニー・テューンズ」も、演出でギャグに留めているだけで、そのドタバタ劇をリアルに描写すれば大怪我・血まみれ・惨殺になるような事をやってるわけですからね。トムもワイリー・コヨーテも何回死んでるのかわからないくらい。
 ですからこの「ハッピー・ツリー・フレンズ」も、そういった往年のカートゥーンの正当な後継者なわけで、これを「残虐だから」と言って一概に切り捨てるのもどうかと…、ってそんなに擁護する事は無いか。だって明らかにポケモンとかキティちゃんといった「女子供の喜ぶ可愛いキャラうぜぇぇぇぇっ、ブッ殺す!」っていう製作者側の悪意がフィルムから見え隠れするもんなぁ、コレ。

 あ、ついつい「フィルム」と書いてしまったけど、これはフラッシュで作られた、インターネット配信用のアニメなのだな。…と、いうわけでこのコラムを読んで興味を持った方は、http://happytreefriends.atomfilms.com/に行って実際にどんなモノか確認してほしい。セリフらしいセリフは無いので英語がわからなくても問題無いぞ。

 さらにDVDもリージョンフリーで3巻まで出てるので、お子様へのプレゼントにどうぞ(笑)。今ならHMVの通販で買えるよっ。


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